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宅飲みワイン会を700回開催した筆者が語る、本当に「迷惑」な客4選
お願いだから紳士でいてください…

うち飲みワイン会の開催回数700回、延べゲスト数は4000人オーバーという偏愛ワインライター『知ればおいしい!今夜使えるワインの小ネタ』であかした、自宅で開くワイン会で困ったゲストがたいていおこすオイオイな習性をレポート。

 

早く来るのは迷惑です!

意外に迷惑なのが、開始時間より微妙に早く来る人。頻繁にワイン会を開いていると、準備の時間配分が正確になる。

前日に使ったグラスや皿を洗うのに40分、部屋の掃除に25分、テーブルのセットに15分、食材の買い出しに25分、ワインを冷やしたり食事の準備に15分と、ちょうど2時間で完了する。

この2時間は、効率120%で仕度をするので、10分早くゲストが到着すると、準備ができない。

当人は、「電車の接続がよくて、早く着きました。お手伝いしますよ」と善意が満載なので、なおさらタチが悪い。手伝ってもらうことは皆無。

ゲストなので飲み物を振る舞い、話の相手をせねばならず、泣く赤ん坊を背中であやしながら、TOEICのリスニング試験を受けている気分。逆に30分も遅れると、温かい料理が冷める。

5分以上、10分未満遅れが、「紳士の嗜み」だ。

酔ってしまえばこんなことも忘れてしまうのが、呑み助の性なのだが、せめて飲む前の訪問タイミングぐらいは気をつけたいものだ。

エレベータはいつもヒヤヒヤ

ワイン会は、何時に始まってもワインと電車がなくなるまで続く。深夜を越えて1時、2時に終わることも少なくない。

そんな時は、「じゃあ帰ります。お世話になりました」と5~6人の酔っ払いがエレベータのボタンを押す。エレベータが7階に到着するまでの30秒が「針のムシロ」タイムだ。全員、最高にハイな気分なので、どんなにつまらない冗談にも大爆笑し、すぐさまそのジョークに切り返して、再度、みんなが笑い転げる。

大爆笑が起きるたびに、突如お隣のドアが開き、パンチパーマのオジサンに「オラ、お前ら、今、何時や思てんねん、ドアホ」と怒鳴られるんじゃないかとヒヤヒヤする。室内なら騒いでもいいのだが、その昔、犬を連れてきたオネエサンがいて、犬がフローリングの床をカツカツと爪の音を立てて走り回り、私に吠えかかった。

これはもう、最悪。

迷惑度はゲロを吐く場所による

圧倒的に迷惑なのは、ゲロを吐く人。ただし、トイレで吐く分には何の問題もない。

ドア越しに苦しそうな声が漏れ、何度もトイレの水を流す音が聞こえると、「楽しすぎたんだね」と同情する。しばらく経って、トイレに入ると、あちこちが妙にキレイになっていて、「苦労して掃除したんだなぁ」と拝みたくなる。

これまでの最悪は、気分が悪くなった男性が私のベッドで休んでいた時のこと。

急にベッドに半身を起こして、「シンガポールのマーライオンみたいだ」と思ったら、口からピューッとゲロを吐いた。夜中の1時、全員でシーツを洗い、酔いが醒めた。

オジサン、あんた何様ですの

ゲストにサービングするのは私1人しかいない。宴会の基本法則は、「飲み食いのピークは最初の30分」。10人もゲストがいると、スタートからの30分は、食べ物やワインのサーブでめちゃくちゃ忙しく、ワインを飲むどころか、トイレにも行けない。

そんな状況は見ればわかるのに、着席したまま、「お客様は神様でしょ?」との顔で、「お水をください」と叫ぶオジサンがいたりする。私は、サーブは大好きだが、この無神経さにはまいる。

反対に、キッチンまで来て、申し訳なさそうに、「お水をいただけませんか?」と言われると、超高速で対応したくなる。ミネラルウォーターが切れた時、「じゃあ、水道水をくださいな。私、港区のミネラルウォーター、大好きなんですよ」と言ってくれたオネエサンがいて、頬ずりしそうになった。

葉山考太郎(はやま・こうたろう)
エンジニアリング系の本業のかたわら、シャンパンとブルゴーニュを偏愛するワインライターとして活躍。日本で初めて、ワインの世界にコテコテの笑いを持ち込むという快挙をなし、1日1本半、年間バスタブ1杯分のワインを飲む。著書に『偏愛ワイン録』『クイズでワイン通』『クイズ ワイン王』(以上講談社)など。