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新説「唐揚げダイエット」~最新の研究から生まれた驚異の減量法

油を摂らないと、人間は痩せない

健康のために油は摂りすぎないほうがいい――そんな常識は捨てたほうがいい。最新の研究で明らかとなった、油の秘めたる「力」とは。驚異の減量法「唐揚げダイエット」でみるみる体重が落ちていく。

油で脂肪が燃える

「皆さんがダイエットをするときに、真っ先に控えるのは油ものでしょう。でもそれはまったくの誤解で、油を控えた食事を続けていると、逆に太りやすくなるんです」

そう話すのは、『日本人だからこそ「ご飯」を食べるな』などの著書をもち、これまで延べ3000人以上の患者の健康改善やダイエットを成功に導いてきた、沖縄徳洲会こくらクリニック院長の渡辺信幸氏だ。

肥満や糖尿病といった生活習慣病を解消するために、油を控えた食事を心がけている人は少なくない。だが、最新の研究ではこれがまったくの間違いであるということが明らかになりつつあるのだ。渡辺氏が続ける。

「肥満の原因となる中性脂肪を生み出すのは油ではなく、糖質なのです。それなのに油=悪という図式が、多くの人々に刷り込まれていたのには、根深い理由があります」

'50年代、当時生理学の権威であった米国のアンセル・キーズ博士の研究によって、「油の摂取量の多さが心臓病死と関連している」という発表がなされると、確たる検証を行わないまま大々的にマスコミによって報じられた。

これが社会問題化したことで、'77年には米政府によって「マクガバンレポート」と呼ばれる食事目標が示され、「米国人は食事における油の摂取比率を減らすべき」という風潮が人々の間に波及していった。

こうして油の摂取量は目標通りに減る一方、炭水化物の摂取量は増加傾向をたどっていくのだが—そうして、この国家ぐるみで行われた大規模実験は図1のような散々な結果をもたらすことになる。渡辺氏は言う。

「30年の間に、アメリカ国民の脂肪摂取量は下がったものの、肥満率は減るどころか倍増しています。つまり、油脂を制限した代わりに炭水化物(糖質)の摂取量が増大し、結果肥満率を押し上げることとなってしまったのです」

 

ここ最近になってようやく、過去の研究結果の見直しが行われるようになり、油を控えることが、血中の中性脂肪を減らすのに有益でないことが続々と報告されるようになっている。

現に、日本国内でも油に対する見方は大きく変化しつつある。厚生労働省が5年毎に発表する「日本人の食事摂取基準」でも、'10年版では30代女性の脂肪エネルギー(1日の摂取エネルギーのうち脂質が占める割合)の上限が25%だったのに対し、最新の'15年版では30%に引き上げられているのが、その証拠だ。

「糖質過多の状態でなければ、油に含まれる脂質によってむしろ身体の代謝がアップし、脂肪燃焼の働きも良くなるので、痩せやすく太りにくい体質に変わっていきます。つまり体内の脂肪燃焼の着火剤となるのが油だと考えればいいのです」

渡辺氏が言うように、食事で摂る脂質が多いほど中性脂肪が下がるという研究も行われている。もはや「油を摂らないと、痩せない」のはダイエットの新常識なのだ。

〔PHOTO〕gettyimages