選挙 政局

補選で大敗。民進党には申し訳ないが、もはや再起は困難なレベルだ

現実味を帯びてきた11月解散

反省会をやっても無駄

東京10区と福岡6区の両補欠選挙は、自民の圧勝であった。

東京10区は自民党前職の若狭勝氏(59)=公明推薦、福岡6区は無所属新人で前大川市長の鳩山二郎氏(37)の当選となった。23日の投票締め切り直後に、二つの選挙区で当確が出たほどの圧勝。多くの事前予想どおりの、いわゆる「秒殺」というものだった。

野党は両補選とも民進党候補に一本化し、共産、自由、社民各党が支援。共産党は野党共闘を進めるためとして、擁立する予定だった公認候補を取り下げていた。しかし、結果は無様だった。

今ごろ民進党は恒例の反省会を行っているだろう。しかし、再起は難しいといわざるを得ない。基本政策がブレすぎていて、さらに党内人事がまともにできない政党になっているからだ。

 

その萌芽は、蓮舫体制になったときに、幹事長を野田佳彦氏にしたことにある。

この体制なら、自民党が負けるはずなく、今選挙をやれば、野田民主党が相手だった時と同じ程度の議席獲得が予想される(2016年10月3日付け本コラム「蓮舫・野田氏が相手なら、次の選挙で『自民党300議席』は堅そうだ」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49851)。

一方、野党候補が勝ったとされた新潟知事選である。たしかに新潟知事選では、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題が争点となり、県民の過半が再稼働に慎重なため、米山氏に風が一気に吹いた。

それを受けて、民進党の野田幹事長は「安倍政権に対する県民の怒りが反映された」とはしゃいでいる。これは吹き出しものだ。

【PHOTO】gettyimages

民進党は、支持母体の連合に「原発推進」の電力総連を抱えているため、新潟県知事選では自主投票としていた。だが、野党系候補の優勢が伝えられると、蓮舫代表は投開票前々日に新潟入りし、街頭演説を行った。それは節操がないというものだ。

しかも、野田幹事長は民主党政権時代になし崩し的に原発再稼動を認めた、その張本人である。

そもそも原子力行政について、与党と野党との政策の差は、実はあまりない。ほとんどの政党は「脱原発」という方向性で同じであるが、そのスピードで差がある程度だ。

先の参院選での公約をみれば、自民は原発依存度を下げ、安全性の確保を前提とし原子力規制委員会に認められたものを立地自治体の理解を得て再稼働を進めるとしている。民進も脱原発をいうが、原発即ゼロとはいわない。公明は原発新設を認めず原発ゼロを目指すが、再稼働は自民党と同じ方針だ。維新の会は原発フェードアウト、共産・生活などは原発即ゼロという具合だ。

当選した米山県知事はどういう考え方なのだろうか。米山氏は10年ほど前に政界に入ったが、当初は自民党だった。その後、維新に移り、維新が民進党に吸収され、今回は無所属での出馬だった。維新は、脱原発の方向であるが、原発即ゼロという立場ではなく、民進も原発即ゼロでない。

原発即ゼロでない限り、再稼働は、安全確保の上で原子力規制委員会が認めたものを地元自治体の理解を得て行うという政府方針と大差ない「慎重判断」になるはずだ。

こうした米山氏の経歴と民進党の行動のブレを見ていれば、米山氏の当選をもって「安倍政権への怒り」とは言い難いのではないか。

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