不正・事件・犯罪

「ワナ」を仕掛けて交通違反の反則金を稼ぐ警察〜そのセコすぎる手口

それが仕事と呼べるのか?
週刊現代 プロフィール

「東京の場合、江戸川区大杉の京葉陸橋、同区の松本連続陸橋、通称・東京湾岸道路と呼ばれる国道357号の葛西臨海公園や環七大井ふ頭。それ以外にも、千住大橋、国道17号新大宮バイパスの笹目橋、その隣の戸田橋、東京ゲートブリッジなど定番のスポットです。

国道246号の新二子橋(多摩川)から都内に入ってくるところは、もう20年以上前から変わらず覆面パトカーの取り締まりポイントになっています」

「交通事故を防ぐため」という表看板を掲げながら、本当に危険な場所ではなく、ただ違反をしやすい場所を見つけ、ワナを仕掛け、待ち伏せして、罰金を取り立てる。しかも何年間も同じ場所でそれをやる(ちなみに雨の日は取り締まりが少なくなる)。これが本当に警察のやるべき「仕事」なのか。

前出の鶴田氏はこう指摘する。

「私は違法運転を奨励するつもりはさらさらありません。わざわざ『違反』を『させて』カネを巻き上げる、警察の汚いやり方に対して異議を唱えているのです。

本当に交通事故を減らす目的なら、コソコソと茂みや電柱の陰に隠れたりせず、堂々と表に立って『この区間は注意してください』とドライバーたちに呼びかけるべきではないでしょうか。そのほうが抑止力になるでしょう。

それを一時停止で止まらなかったら『引っかかった』という態度で、物陰から出て来て捕まえるのはおかしい。

また標識が分かりづらい右折禁止の場所で、右折した後に警察官が待ち構えていることがありますが、本当なら右折の前にいなければならない。違反をする前に『指導、警告』するのが本来のあるべき姿じゃないですか」

警察の取り締まりのやり方については、'13年に当時国家公安委員長を務めていた古屋圭司氏もこう指摘している。

「取り締まりのための取り締まりになっている。『本当に危険な場所』よりも、『警察が検挙しやすい場所』で、優先的に取り締まりが行われている傾向がある。これは警察の信頼という視点からも疑問符がつく。取り締まられた側も納得できる取り締まりをしなければならない」

不当に検挙されたドライバーには、自らの違反を反省するどころか、『だまし討ちにあった』『他の運転者もやっているのになぜ自分だけ』という反感や不公平感が生まれる。

それにより運転者の意識が『今後違反をしないようにしよう』ではなく、『今後違反は見つからないようにやろう』になってしまい、逆効果になる可能性もある。

 

安全より「カネ」が重要

では、なぜ警察は卑怯なワナを仕掛けてまで、取り締まり件数を増やすことに躍起になるのか。理由は簡単。それは「ノルマ」があるからだ。

交通ジャーナリストの今井亮一氏が語る。

「警察は絶対にノルマがあることは認めませんが、それはあくまで建前。以前、違反キップを捏造し逮捕された警察官が、裁判で『(上司から)違反キップをとるまで帰って来るなと言われた』と証言していたように、ノルマは存在します。特に4月、9月の交通安全月間はノルマが厳しく設けられるため、ドライバーは注意が必要です」

中には、反則金のことを「稼ぎ」と呼び、「おいしく取り締まれる地点」を飲み会で情報交換している警察官までいる。

事実、総務省が公表している「交通安全対策特別交付金制度」では、予算として反則金収入を約700億円(平成26年度)と見積もっている。これを「ノルマ」と言わずになんと言うのか。これでは「警察はカネのために取り締まりをしている」と言われても致し方ない。

ちなみに徴収された反則金は一旦、国庫に納められたのち、交通安全対策費として各都道府県・市町村に交付される。これらのカネは主に、ガードレールや信号などの設置、管理に使われるのだが、それを請け負う業者が「警察OBの天下り先になっている」のは有名な話だ。

違反とも言えない違反で検挙されたドライバーの悔し涙がカネに変わり、警察OBの優雅な余生を支えているとすれば許しがたい。

泣き寝入りするしかないのか

ではもし、不当な取り締まりを受けた場合はどうすればいいのか。「運が悪かった」と諦めるしかないのか。