企業・経営

減点主義はとらない! セイコーに学ぶ「ものづくり」のスピリッツ

受け継がれる「挑戦する気概」

ニッポンの技術力や日本人の細やかさを体現した企業だ。セイコーウオッチは、大正2年、初の国産腕時計「ローレル」を販売。さらにその後、正確な「クオーツ時計」の開発・実用化に成功した。各種スポーツの計測タイムが100分の1秒を切る単位で刻まれるようになったのはセイコーの功績である。

創業者・服部金太郎の曾孫にあたる服部真二社長(63歳)に、今日まで受け継がれるモノづくりの精神について話を聞いた。

 

挑戦してこそセイコー

一歩

「すべて商人は、世間より一歩先きに進む必要がある」――創業者・服部金太郎の言葉です。

実際に彼は、輸入時計を販売しているとき、いち早く「やがては国産の時代が来る」と考え、時計の工場「精工舎」を立ち上げました。その後、柱時計や懐中時計が中心の時代に、初の国産腕時計の製造にも取り組んでいます。

戦後、当社がクオーツ腕時計を開発したのも、この創業の精神=挑戦のスピリッツを受け継いでいるからでしょう。しかし挑戦に失敗はつきもの。「腕時計型のテレビ」など、続かなかった商品もあるんです。そして実は、先の金太郎の言葉には続きがあります。

「ただし(先に進むのは)ただ一歩だけでよい。何歩も先きに進みすぎると、世間とあまり離れて預言者に近くなってしまう」と――。私も含蓄のある言葉だと感じます。

気概

最近、セイコーが挑戦したのは全地球測位システム(GPS)の電波を受信し、世界中どこにいても正確な時刻がわかる「アストロン」の導入です。GPSは消費電力量が多いため、腕時計のソーラーパネルの電気では動かせない、と一般的には言われていました。

しかし当社には「挑戦してこそセイコーなのだ」と考える社員が多くいました。結果、グループの開発陣は特許を約100件も申請できるほどの技術革新を成し遂げ、外部充電の必要がなく、時計としての完成度が高い製品を実現してくれました。

社員が常に挑戦する気概を持ってくれているのは、当社が減点主義をとらないこと、そして、セイコーの歴史を皆が共有しているからだと思います。

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