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イスラム教徒が世界中で急増する理由〜抑圧的なイメージは本当か?

日本人のイスラム観は誤解だらけ

実は女性の政治指導者が多い

日本で、いや欧米諸国でも、イスラムについて何を知っているかと聞けば、テロか、酒が飲めない話か、果ては一夫多妻の話に行きつくことが、いまだに多い。もちろん、当たっていることもあるが、おそろしく見当はずれのこともある。

イスラム、あるいはイスラム教徒の話になると、欧米でも日本でも極端に単純化されるのは、今も昔も変わりない。どうも高校の教科書あたりでも、イスラムという1日に5回礼拝をするだの、年にひと月断食をするだのという話ばかり教わるものだから、ひどく戒律がうるさくて、人を縛る宗教だと思われている。

しかし、である。そんなうるさい宗教の信者が、いまだに増えているどころか、あと数十年で世界の人口の3人に1人にまで達するかもしれないところまで増えるだろうか?

 

欧米のフェミニストには、口を開けばイスラムを女性抑圧の宗教と唱える人が多いが、そんなに女性を差別し抑圧する宗教で、女性の信者が増えるわけがない、とどうして思わないのだろう。現実には、イスラムが女性を抑圧しているという話は、ほとんど成り立たない。

たしかに、DVの問題はあるが、非イスラム社会と比べて顕著に問題が深刻か、というなら女性の教育水準が上がるにつれてこの問題は低下していくだけのことである。では、イスラムは女性に教育をうけさせないかといえば、そんな教えはない。

昔の日本のことを考えてみればいい。50年前に日本での女性の大学進学率は10%もない。それは、神道や仏教のせいだったか?日本についてなら、そうじゃないということはすぐに気づく。

イスラム社会でも、家父長制が強く残っていれば、同じように「女に教育はいらない」と言うだろうし、親父が偉そうに物事を決めなければ女性の高学歴化や社会進出も進む。地域社会全体で家父長の支配が強ければ、その地域のイスラム指導者は必ず男たちに迎合する。開発が遅れているイスラム社会で、必ずといってよいほど女性抑圧の話が出てくるのは、要するに、イスラムをきちんと学んだ指導者と地域住民がいないからである。

イランには女性の副大統領がいるし、イスラム圏の国から女性の政治指導者がでることなど、むしろ珍しくない。これまでも、バングラデシュ、パキスタン、トルコで女性の首相が誕生している。いまだ、女性首相の出ない日本で、偉そうに言える筋合いはないのである。

[PHOTO]gettyimages
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