企業・経営 ライフ

【実名リスト】 50歳、60歳をすぎて「得する会社」「損する会社」

全国の就活生とその親必読

就職人気ランキングではわからない会社人生「終盤」の実態

【50代】
●メガバンクは53歳までに役員以外は出向、転籍
●日本生命は55歳で出向、その2年後に転籍
●全日空は50歳から「転身支援制度」で転職先を探す
●50歳で辞めれば「退職金4000万円」のテレビ朝日
●日産自動車は50歳、日本テレビは55歳、NECは56歳で役職定年
●日本IBMでは50歳から「転籍強要」

【60代】
●三菱商事は60歳すぎると「再雇用で年収500万円」
●パナソニックの再雇用は契約社員で月収20万円
●65歳までバリバリ働く信越化学工業、東ソー
●企業年金だけで月額20万円の博報堂
●サントリーは65歳定年、60歳から給料が6~7割程度になる
●東京海上日動火災は定年後、時給制の嘱託社員に

50歳がサラリーマン人生の分かれ道。入社案内ではわからない実態を、現役・OBたちの証言から明らかにする。

(一覧は最終ページに)

50代で給料3割減のメガバンク

「ついに俺も、黄昏(研修)がきちゃったよ……」

40代半ばのみずほ銀行の行員は、自嘲気味にこう呟いた。

黄昏研修—。表向きは能力開発のためのセミナーのように言われているが、実質はその後の人生設計について考えさせる研修だ。3メガバンクに共通で、45歳前後で受けることが義務づけられている。研修を受けた冒頭の行員が話す。

「収入について、50歳前半で3割くらい減り、60歳以降の雇用延長を選ぶと、そこからまた3割減ることを想定して準備するように、と説明されました。つまり、60歳以降は今の給料の半分になるということ。

たしかに今の年収は高いほうだと思いますが、住宅ローンが残っていて、子供の教育費がピークになる50代前半で大きく収入が減ると、生活にまったく余裕がなくなってしまう。不安です」

まだバブルの雰囲気を残した'91年に就職試験を受けて、旧行に合格。いずれは頭取、とまで思わなくとも、取締役にはなれると思っていた。だが、バブル崩壊で銀行の経営環境は激変。再編に次ぐ再編で、都市銀行はわずか3つのメガバンクに収斂してしまった。

「51~52歳で同期から最年少役員が誕生すると、出世レースに敗れた人たちは53歳をメドに出向になります。現在の50代前半はバブル入行組で人数が突出して多く、ポスト争いは熾烈です。

一昔前のようにメインバンクからの出向を快く受け入れてくれる取引先も多くありません。出向できたとしても、1年後には転籍となり、給与体系はその会社の水準になる。ほとんどの場合で年収は半減します」(50代の元三井住友銀行行員)

 

もちろん、銀行にも60歳の定年まで勤める人もいる。それは一部のスペシャリスト、顧客の資産運用のプロや住宅ローンの専門家だ。

ただし、彼らも55~57歳で出世の道が絶たれる「役職定年」となり、60歳以降、再雇用制度で銀行に残った場合も、専門性を活かせる職場につけるとは限らない。

「支店の窓口でお客様の案内やATMの管理をしている年配の方の多くは再雇用組です。週3~4日の勤務で月収は20万円程度」(40代・三菱東京UFJ銀行行員)

3メガバンクは各種就職人気ランキングでトップ10に入ることも多い就職先だ。だが、50代、60代を通してみれば決して「得する会社」とは言いがたいだろう。

「技術大国」ともてはやされた日本経済の屋台骨を支えた電機メーカー。しかし、近年は中韓の企業に押され、栄光はもはや過去のものだ。

たとえばパナソニックはかつて松下幸之助流の「家族的経営」で知られたが、巨額赤字に陥り、'12年に大リストラを断行した。その当時、早期退職に応じた元社員(60代)が後悔する。

「退職前の年収は1000万円を少し下回る程度。退職金が10%割り増しされたため、57歳で早期退職しました。希望者には提携する人材斡旋会社から再就職先を紹介すると言われましたが、まだ決まっていません。紹介される仕事は、倉庫の仕分け係や工事現場の警備といったものでした。

定年まで残れば65歳まで雇用延長できたことを考えると、しがみつけばよかった。少なくともパナソニックに勤めているというプライドは守れたでしょうね……」

元社員が言うように、パナソニックでは60歳を過ぎても希望すれば5年間の雇用延長制度がある。その実態は—。

「定年後も会社に残れることになっていますが、ごく稀です。理由は、会社が残ってほしい人材しか再雇用しないからです。

たとえば特別な技能を持っている人に対しては『ネクストステージパートナー制度』が適用されて契約社員として残れます。しかし、給料は月額15万~23万円に激減します」(50代社員)