ブルーバックス

AndroidやGoogleの検索エンジンを動かす「縁の下の力持ち」

Linuxの疑問を解消しながら学ぶ

「コマンド入力」で操作するメリットがわかる!

Linuxをそれらしく使う上で欠かせないのは、一見面倒そうな「コマンド入力」。

本書『入門者のLinux 素朴な疑問を解消しながら学ぶ』では、実際にコマンドを入力しながらLinuxの基礎から応用までを学び、「なぜコマンドが便利なのか?」を理解する。Linuxを使いこなす上で必要な「考え方」を体得できる。

世界で最も多く使われている基本ソフト

あなたはLinuxを使ったことがありますか? 多分あります。意識していないかもしれませんが。

Linuxは、世界で最もたくさん使われている基本ソフトです。基本ソフト(OSとも呼ばれます)とは、WindowsやMac OS Xのように、コンピュータを動かすための「縁の下の力持ち」的なソフトウェアです。

スマートフォンやタブレット端末のAndroidという基本ソフトは、実はLinuxをベースに作られています。Googleなどのインターネット検索エンジンで使われる基本ソフトの多くはLinuxです。テレビやDVDレコーダーの基本ソフトにもLinuxが使われており、選局や録画、編集、ハードディスクの管理などを助けてくれています。

たくさんのLinuxのお世話になっているからでしょうか、Linuxのことをもっと知りたい、使いこなせるようになりたい、という人が、少しずつ増えているようです。本書を手に取ったあなたもその1人でしょうか?

世の中には、Linuxの入門書がたくさんあります。それは、Linuxを習得したいのにうまくできない、という人が大勢いることの証拠でもあります(もし簡単に習得できるのなら、1冊の薄い定番の入門書があれば十分でしょう!)。なぜLinuxは難しいのでしょうか?

Linuxに関する細かいハウツー情報はネットでたくさん見つかります。

たとえば「Linux ダウンロード インストール」のようなキーワードで検索すれば、Linuxをダウンロードしてあなたのパソコンにインストールすることは、簡単にできます(本当です! WindowsやMacでブラウザやUSBメモリを使うことができる人ならば)。

Linuxを使っているうちに何かエラーが出たら、そのエラーメッセージを検索すれば、多くの場合、原因や対処法が見つかります。

Linuxも「習うより慣れろ」

でも、初心者がLinuxを学ぶときの障害は、そういうハウツー情報の不足ではなく、やっているうちに随所で感じる戸惑いや違和感であり、それは、「Linuxってなんでこうなんだ?」という、イライラした気持ちを伴った疑問なのです。ある意味、カルチャーギャップというか。

そういう疑問は、その場その場で無理に解消しようとせず、適当に「スルー」して、とにかくLinuxを学び続け、使い続けていれば、そのうちに自然に解消するものです。要するに、「習うより慣れろ」なのです。

ところが、そう言われても、どうしてもいろんなことが気になってしまうのが人間です(特に、歳をとってくると!)。人間は、コンピュータと違って、正しい情報と指示を与えれば正しく働くというものではないのです!

本書は、そういう「人間らしい」あなたに、「とりあえず」納得して呑み込んでいただけることを目指します。

あなたが、「ん? なんでそんなことするの?」「あれ、それだとなんかもやもやする」となりそうなところで、できるだけLinuxを支える文化や考え方をざっくり解説します。それは、ときには合理的な思想だったり、ときには単なる慣習だったりします。

それを読んで、「とりあえずはそういう理解でいいのか、ま、それならそれでいいか」という気分になっていただけたら成功です! そして本書で「Linuxってこんなものか」「専門的だと思ってたけど、意外にできそう」「次は厚めの入門書を読もう」などの印象を持っていただけたらもっと成功です!

本書はWindowsやMacはそこそこ使えて(メール、ブラウザ、Officeソフトなど)、なんだかLinuxも面白そうだからいじってみたい、という人を対象とします。これから少しずつお話ししますが、Linuxには、素晴らしい機能がたくさんある一方、できないこと・やりにくいこと・とっつきにくいこともあります。ですから、本書はWindowsやMacを今すぐ捨ててLinuxに乗り換えよう! とすすめたりはしません。

Linuxの魅力は、「みんなが自由に使い、みんなで育てる」というポリシーや、社会の隅々まで浸透し続ける汎用性、時代を超えても揺るがない堅牢な設計思想など、多くの面にあります。

私はLinuxやコンピュータの専門家ではありませんが、そのような魅力を味わった結果、Linuxが仕事や勉強に直接役立つようになりましたし、生き方やものの考え方にも良い影響を受けたと思います。あなたにも、そのような良い体験が訪れることを願っています。

著者 奈佐原顕郎(なさはら・けんろう) 
一九六九年生まれ。岡山県立岡山一宮高等学校、東京大学工学部計数工学科卒。北海道大学大学院理学研究科地球物理学専攻(修士)、京都大学大学院農学研究科森林科学専攻(博士)修了。モンタナ大学客員研究員を経て、現在、筑波大学生命環境系准教授。専門は人工衛星を用いた地球環境観測と、農学系大学生の数学・物理学基礎教育。
入門者のLinux
素朴な疑問を解消しながら学ぶ

奈佐原顕郎=著

発行年月日: 2016/10/20
ページ数: 320
シリーズ通巻番号: B1989

定価:本体  1160円(税別)

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(前書きおよび著者情報は初版刊行時点のものです)