国際・外交 ロシア
北方領土問題、安倍政権が奮起しても成果は「このあたり」が限界
だから1月解散はあり得ない!?

北方領土はそんなに甘くない

解散風が永田町に吹いている。

先々週10月3日付けの本コラム(「蓮舫・野田氏が相手なら、次の選挙で「自民党300議席」は堅そうだ」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49851)で、マスコミを賑わしている「1月冒頭解散」だけではなく11月解散もあり得ると書いたら、そうした意見も政治評論家の間で出てきているようだ(10月15日の歳川氏論考 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49954)。

筆者が、1月冒頭解散があまり見込みがないと思うのは、その前提である北方領土の日ロ首脳会談の成果について、あまりに楽観的すぎるからだ。

 

たしかに、12月15日に行われる、プーチン・ロシア大統領を安倍首相の地元山口に招いての首脳会談に期待が集まっていることは理解できる。しかし、それがただちに北方領土解決になるかといえば、そうではない。北方領土問題は、これまで70年間も解決できなかった超難問であることを忘れてはならない。

領土問題の解決は、基本的には戦争によってはかられてきた。平和的に解決したら、ノーベル平和賞ものなのである。さらに、70年の間には日本外務省の外交的な失敗もあった。

それを、今回挽回して取り返そうというのだから、かなりの妥協が必要である。こうした妥協の末に返還があったとしても、経緯を知らない人が見れば、それほどの外交成果には見えないのだ。

そもそも、多くの日本人には北方四島すべてが返還されるべきだという願望がある。実際、歴史から言えば、第二次世界大戦の終わりに、旧ソ連がどさくさに紛れて北方四島を不法に占領したのは事実である。

昔から日本とロシアは「綱引き」をやっていたが…【PHOTO】gettyimages

もし日本が平和国家でなければ、25年前のソ連邦崩壊前後、武力で北方四島を奪還していたとしても不思議ではない。武力での奪還、というと穏やかではないが、意図的に紛争を起こして、それに乗じて事実上の武力行使をして、既成事実を積み重ねてしまうことだ。

思えば、その当時が日本としても最大のチャンスだった。GDPは世界二位でアメリカを急追しており、日本の国力は絶頂期であった。さらに、中国の台頭もまだ起こっていないので、北方領土交渉に日本が注力できる態勢が整っていた。また、当時のロシアはソ連崩壊直後で市場経済が混乱していたため、日本側は日本の経済力を生かせるチャンスだった。

しかし、日本はこの機運をうまくいかせなかった。ロシアの識者の間では、日本は90年代にロシアが苦しんでいたときに何もしてくれなかったという不満が多いという。

その中でも絶好機を逃したのが、1992年にロシアから提示された北方領土に関する「秘密提案」だ。その提案に対しては、北海道新聞などで関係者の話が掲載されている。

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