気を付けろ!10月からの新ルールで、妻が働き損になる
「106万円の壁」はこんなに怖い

額に汗して働けば、それに見合った収入が得られる。素直にそう考えていては、大きな「働き損」が生じる制度改革が、この10月から始まっている。家族の暮らしを守るには、どうすればよいのか。

156時間もタダ働き

この10月に入って、「106万円の壁」という言葉が、にわかに世間を騒がせ始めた。

サラリーマンの夫の収入を長年、パートで支えてきた57歳の永沢美千代さん(東京都練馬区・仮名)は、パート先のスーパーの人事担当者から聞いた話に衝撃を受けたという。

「いまは時給900円ちょっとのパートを掛け持ちして週30時間働いていて、年収にすると125万円。これが10月からは、『106万円の壁』を超えることになって、健康保険や年金のおカネが年14万円も引かれるっていうんです。それじゃ、年収が111万円になるのと同じですよね。

これって時給で考えたら、年に156時間分もタダ働きするのと同じになるんですよ!」

いったい、いま何が起こっているのか。

 

「106万円の壁」は、この10月から、(1)従業員数が500人を超える事業所(1店舗だけでなく会社全体)で、(2)週20時間以上働き、1年以上の雇用継続が見込まれ、(3)月収8・8万円(年収約106万円)以上を得ている人は、社会保険料(健康保険料、厚生年金の掛け金)を自ら支払う、とされたことで生じた。

サラリーマンの夫に扶養される妻は「第3号被保険者」と呼ばれ、保険料を支払う必要がなかったが、それを自分で負担することになったのだ。

その家計への影響の大きさを知るために、まず夫婦にかかわる税金や保険のルールを見ていこう。