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ちょっと待って!「個人年金」って本当におトクな仕組みなの?

老後に不安を感じるあなたへ

「老後が不安」という人の6割は何もしていない

老後破綻、老後貧乏という言葉がセンセーショナルに取り上げられ、この先、年金には頼れない、老後資金は数千万円、いや一億円必要だなどと不安をあおる記事も多く見られます。

どんな若い人に聞いても「老後の生活が不安です」と言うでしょう。

若い人だけではありません。2016年に金融広報中央委員会が行った「金融リテラシー調査」によると、50代でさえ約6割の人が老後資金をどう貯めるかの計画を立てていないとか。

漠然とした不安はあるが、何をしていいかわからない。

「5000円からでもいいから、老後資金の積み立てしてみてはどうですか」と若い人に言うと、なんだかぴんっときていない顔をされます。もっとすごい効果がある方法を期待しているというふうです。

〔PHOTO〕iStock

その状態で、「老後の生活のたしになるワンルームマンション投資がおすすめ」「将来はもう公的年金に頼れないから個人年金保険に加入したほうがいい」「毎月分配金が出る投資信託を買えば、年金のたしになる」という話を聞くと、深く考えずに飛びついてしまう。

そういう人たちを、業界の専門用語で「カモ」と言います。

どれもこれも、あなたの老後のためというより、今、銀行や保険会社が儲かる商品ばかり。相手は販売のプロですから、納得させて買ってもらうためのマニュアルを持っています。少なくとも、何も知らない状態で話を聞くのはネギだけでなくポン酢まで背負っていくようなもの。

公的年金制度が維持され、我々がこの先もらえるお金の目安としては、サラリーマンと専業主婦という世帯で、月21万円ともいわれています。

21万円ではたりないと思うのなら、若いうちから毎月少しずつでも老後のために積み立てをすることと、21万円で暮らせるような生活サイズをキープすることが必要です。

消費に使うお金は、一度膨らんだものを減らすのは大変。膨らませないことを、若いうちから心がける。買い物をしようとしてお金をサイフから出す前に、もう一度本当に必要かを問いかけてみる。それが、老後の安心生活にもつながるのです。

 

個人年金は正しい選択か?

多くの人が「公的年金は破綻するかもしれない」「将来、年金はもらえそうにないから年金保険料を払いたくない」と考えているようです。

国に頼れないなら、自分で備えるしかない。なら、民間の「個人年金」に入ろう、という発想になります。個人年金というネーミングですが、正確には「個人年金保険」、つまり保険商品です。

保険ショップなどで預金よりも増えるとすすめられ、中には外貨で運用する「外貨建て個人年金保険」のほうが、さらに増えますよと言われる場合も。

本当に、個人年金保険で備えるべきか。そもそも公的年金はもらえないのか、そこから考えてみましょう。

もし、公的年金が破綻したらどうなるのか。その時はどっと生活保護の申請が増えることになるでしょう。現在、公的年金の原資には、加入者が払う保険料とこれまでの積立金、そして半分は税金が投入されています。

ところが生活保護を支給するとなると、それは全額、税金を使うということに。つまり、国としては意地でも年金を支給し続けたほうがよいのです。無論、支給年齢の引き上げや支給額が今より下がることはあるでしょう。

ただ、「もらえない」ことはないし、「もらえないだろう」と保険料の支払いを止めてしまうと、もらう資格すらなくしてしまいかねません。

もし金融機関で「公的年金は当てにならない」と言われたら、それはセールストークの前ふりだと思っておきましょう。