野球
MLBプレーオフ展望 シカゴ・カブス108年ぶりの悲願達成なるか
対抗馬、そして大穴はこのチームだ

いよいよプレーオフ

2016年のMLBシーズンも大詰め――。今週からいよいよプレーオフの戦いが始まった。今季も多くの強豪がしのぎを削る中で、ワールドシリーズに進出し、世界の頂点に立つのはどのチームか。

今回は筆者が独断と偏見で注目チーム、優勝候補をピックアップし、今年度のチャンピオンを占ってみたい。(注:以下、カッコ内の選手成績はすべてレギュラーシーズンのもの)

 

本命:シカゴ・カブス(103勝58敗 ナ・リーグ中地区優勝)

シーズン中に圧倒的な強さを誇示したことに敬意を表し、やはりシカゴのタレント集団を優勝候補の本命に挙げるべきだろう。

今秋のカブスは紛れもなく“アメリカズチーム(地元だけでなく全米から注目を集めるチーム)”。彼らが1908年以来、実に108年振りの世界一に到達できるかどうかが今プレーオフの最大の見どころと言って良い。

チーム防御率はリーグ1位で、ローテーションは2人のサイ・ヤング賞候補のカイル・ヘンドリックス(16勝8敗、防御率2.13)とジョン・レスター(19勝5敗、同2.44)、去年のサイ・ヤング賞投手(ジェイク・アリエッタ(18勝8敗、同3.10)が引っ張る。

打線にもMVP候補のクリス・ブライアント(打率.292、39本塁打、102打点)、アンソニー・リッソー(打率.292、32本塁打、109打点)をはじめ、多くのヤングスターが敷き詰められている。

カブスの主砲ブライアントは今秋に全国区のスターにブレイクするかもしれない〔Photo〕Gemini Keez

知将ジョー・マドンの存在まで含めて弱点は見当たらず、特にナ・リーグ内ではダントツの優勝候補と目されているのも頷ける。

そんなカブスにとって、不安材料は第1ラウンドで勝負強いサンフランシスコ・ジャイアンツと対戦しなければいけないことだ。

この時期に驚異的な力を発揮するマディソン・バムガーナーを始め、カブスに匹敵する先発投手力を誇るジャイアンツは5戦シリーズでは怖いチーム。今シーズン中の対戦でも4勝3敗とてこずっている。

過去5年間で2度も世界一になったジャイアンツの壁を乗り越えられれば、カブスはにとって悲願のワールドシリーズ進出が見えてくる。

レッドソックスに続き、カブスの久々の優勝の立役者になれば、セオ・エプスタイン球団社長の名声は不朽のものになる〔Photo〕Gemini Keez

しかし、序盤のシカゴでの2戦を1戦でも落とし、バムガーナーが出てくる敵地での第3戦を迎えることになった場合には状況は変わってくる。その際には、悲運の歴史が改めて頭を過ぎり、シカゴファンは不安に震えながら以降のゲームを見守ることになるのかもしれない。

対抗#1:ボストン・レッドソックス(93勝69敗 ア・リーグ東地区優勝)

打線の層の厚さだけなら、レッドソックスが間違いなくメジャー1だろう。

今季のチームOPS.810は両リーグ最高。ムーキー・ベッツ(打率.318、31本塁打、113打点)、デビッド・オルティス(打率.315、38本塁打、127打点)、ザンダー・ボガーツ(打率.294、21本塁打、89打点)、ハンリー・ラミレス(打率.286、21本塁打、111打点)、ダスティン・ペドロイア(打率.318、15本塁打、74打点)――。

これだけの強打者たちが並ぶ打線を封じ込めることは、どんな好投手にとっても並大抵の難しさではあるまい。

今季限りで引退を表明したレッドソックスのオルティスは優秀の美を飾れるか

先発投手陣にはリック・ポーセロ(22勝4敗、防御率3.15)、デビッド・プライス(17勝9敗、同3.99)という2枚看板が確立。攻守両面で軸のしっかりしたチームだけに、2013年に続き、“前年の最下位から世界一”という偉業を再び成し遂げても不思議はない。

もっとも、ロースターを見渡すと、弱点もちらほら見える。

先発3、4番手のクレイ・バックホルツ(8勝10敗、同4.78)、エドゥアルド・ロドリゲス(3勝7敗、同4.71)は2本柱と比べてやや力が落ちる。ブルペンでも守護神クレイグ・キンブレル(2勝6敗31セーブ、同3.40)も9月は7試合で防御率5.63と不振。

そんな状況下で、中継ぎ、セットアッパーを務めるブラッド・ジーグラー(2勝4敗4セーブ、同1.52)、上原浩治(2勝3敗7セーブ、同3.45)の負担が大きくなりそうだ。

6日にはクリーブランドで迎えたインディアンスとの地区シリーズ第1戦に4−5で敗れ、さっそく厳しい状況になった。今後、長いシリーズとなったとき、年齢的にやや峠は越えたブルペンのベテランたちがどれだけ持ちこたえられるかも注目ポイントになる。