経済・財政 世界経済
OPEC「原油減産」合意で安倍政権に迫りくるタイムリミット
日本経済「構造改革」は待ったなし!

「三重苦」に直面する日本経済

日本経済の先行きに新たな暗雲が垂れ込めてきた。

OPEC(石油輸出国機構)が先週水曜日(9月28日)、アルジェリアの首都アルジェで開いた臨時総会で、原油安に歯止めをかける狙いから、8年ぶりに原油生産量の削減に合意したのである。

ご存じのように、原油価格は2014年夏以来、歴史的な安値水準で推移しており、純輸出(輸出―輸入)を増やすとか、食品価格を下げて家計の実質所得を押し上げるという形で、日本経済を援護してきた。だが、今回のOPEC合意により、原油価格が反転して、日本経済の足かせに変わる可能性が出てきた。

来月末にウィーンで開かれるOPEC総会で各国別の減産割り当てに合意すれば、来年早々にかけて原油高が本格化するのは確実だ。そうなれば、なかなか癒えないチャイナショックと、米利上げ期待の後退に伴う円高圧力に、原油高が加わり、日本経済は「3重苦」に直面することになる。

実効性のある成長戦略をなかなか打ち出せないアベノミクスのツケが顕在化しかねない情勢だけに、OPECの動きからは目が離せない。

〔PHOTO〕gettyimages

今回、OPECが合意したのは、加盟14ヵ国の原油生産量を日量3250~3300万バレルに制限すること。サウジアラビアが譲歩し、例外扱いでイランの「増産」を認める方針を打ち出したことから、困難と見られていた14ヵ国全体での「減産」合意ができたという。

このニュースは世界を駆け巡り、同日のニューヨーク市場では原油先物市場の指標WTI(期近11月物)が終値で前日比5.3%高の1バレル=47.05ドルと急反発した。

世界の原油生産量に占めるOPECのシェアは4割程度に過ぎないうえ、原油価格が上昇すれば北米のシェールオイル企業が生産を再開するかもしれないため、全体として原油供給量がそれほど減らない可能性はある。

しかし、OPECが減産に踏み切ることを条件に、ロシアは増産自粛に応じる構えを見せている。原油安の主因だった供給過剰が解消する可能性は否定できない。

加えて、もう一つの原油安の原因だったグローバルマネーによる原油先物などの投機的な取引が縮小する可能性もある。というのは、OPECが北米のシェールオイル潰しを狙って先の見えない安値供給を続ける戦略に見切りをつけ、価格維持のための価格支配力回復を目指す戦略に転換すれば、歴史的な原油安水準で投機が罷り通る環境が消失するからだ。

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