政治政策 国際・外交
アメリカの政治評論家が続々「ヒラリー圧勝」予測を打ち出した理由
テレビ討論を通じて見えた二候補の本性

米軍の最高司令官にふさわしいか

「クリントンは討論会で勝った。入念な準備をしたことで、彼女が語ったことは明確で簡潔だった。さらに取るに足らないことには一切触れず、かつ効果的なトランプ攻撃を展開した。一方のトランプは、当初はまあまあ良かったが、次第に自分をコントロールできなくなり、最後は支離滅裂になった」――。

9月26日にニューヨーク州ヘンプステッドで行われた第1回米大統領選テレビ討論直後、ワシントン在住の共和党系コンサルタント、カール・アイゼルスバーグ氏が筆者にメールで寄せた「判定」である。メールにあったincoherentはかなりキツイ表現で、「支離滅裂」と訳すべきものだった。

一方、やはり筆者の知己でニューヨークに住む民主党系のジャーナリスト、リチャード・カッツ氏の「判定」は、次のようなものだった。

「ヒラリーは、予備選を含めて今まで観た中でベストの出来栄えだった。トランプは彼女を怒らせて守勢に回らせようとしたが、ことごとく失敗した。逆に彼女がトランプを受身に晒らした。そして自分はいつでも仕事にかかれる準備ができており、それだけの才能があり、聡明であることを印象付けた」――。

ヒラリー・クリントン前国務長官に“やや甘”の感じがするが、カッツ氏の名誉のため言っておくと、同氏はオバマ民主党政権、特に2期目にはかなり厳しい評価をしており、大統領選遊説期間中のクリントン氏の発言に対しても批判の手を緩めていない。

カッツ氏のメール表現を紹介すると、she came off smart and knowledgeable, ready to the do the job.とあった。同氏が言わんとしたことは、米メディアが一様に指摘したドナルド・トランプ氏が果たして米陸・海・空・海兵隊の4軍最高司令官に相応しいのかという疑念に通じるものだ。

確かに、筆者がテレビ中継で見た限りでも「クリントン圧倒的優勢」という印象を持った。では、クリントン氏は10月9日の第2回テレビ討論(ミズーリ州セントルイス)、同19日の第3回テレビ討論(ネバダ州ラスベガス)でもトランプ氏を論駁して11月8日の大統領選本選の投開票日で勝利できるのだろうか。

〔PHOTO〕gettyimages
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