いまだヤンキー王国!群馬・栃木・茨城「北関東三兄弟」がおもしろい

それぞれの言い分

影が薄い。遠い。どこにあるか分からない。ダサい……そんなふうに言われて半ば無視され続けてきた、北関東がいま熱い。時代遅れだったはずのヤンキー文化が、一周回って最先端になった、のか?

そこは「世界の果て」なのか

〈あなたも一度は聞いたことがあるだろう……世界の果てにあるという魔境、GUNMAを……そこでは毎日のように戦争が行われ、飢餓に苦しむ子供たち……飢餓を生き延びようとも、戦場に駆り出されることになるのだが……〉

群馬県出身の30代男性が言う。

「個人的には、ネットなんかで『未開の地グンマー』と呼ばれて、茶化してもらえるのは、悪くない気分です。

北関東の住民って、ずっと自分たちのことをどう主張していいか分からなかったんですよ。だから、最近は他県の人には、自分から『グンマー出身です』と言って自己紹介することもあります。意外とリアクションは薄いですけど」

関東1都6県の中で、県庁所在地が東京から100km離れていて、普段は都民にも関心を向けられることがない。まして他地域の住民からは「どこにあるんだっけ?」と言われてしまう——群馬、栃木、茨城の「北関東三兄弟」は、今までそんな不遇をかこってきた。

だがその中で、一部の人からにわかに「あそこは日本ではない」「魔境」などと呼ばれ、盛んにいじられるようになった県がある。長男・群馬県、人呼んでグンマーである。

 

ネット上では、冒頭のような「未開の地グンマー」のギャグ解説にとどまらず、アフリカの砂漠に建つテントのような小屋の写真に、「埼玉県境から車で20時間ここが群馬県庁である」とか、巨大なトラの写真に「ノラ猫も前橋市内では、貴重な食料である」なんて一文が書き加えられていたりする。

あまりの人気に、

「いい言葉だと思いますよ、未開の地。これから発展できる」(大澤正明県知事)

「東京から100kmでアフリカ気分が味わえるならよくないですか?猿と一緒に入れる温泉もあるし」(小渕優子衆院議員)

と、地元の大物たちも苦笑。いまや「お国自慢」ならぬ「お国自虐」をさせたら、群馬の右に出るものはいないのだ。

県庁所在地の前橋市内に住む40代女性に聞くと、自虐が十八番の埼玉県民も真っ青の答えが返ってきた。

「群馬県民は山を見て方角を知るんです。群馬の誇り、上毛三山があるから。北の赤城山と榛名山、そして西の妙義山。群馬県内なら、どんなに道に迷っても、山さえ見っかりゃ安心です。

群馬では、海といえば榛名湖。群馬県民はみんな、子供の頃は榛名湖を『あれが海だんべ』と教えられて育つんですよ(注・榛名湖で遊泳はできない)。大きくなってからようやく、新潟の海で『水がしょっぺえ!』と衝撃を受けるんです」

—「未開の地」というのは本当ですか?

「とりあえず、前橋にはけやきウォーク、高崎にはイオンモールの2大ショッピングセンターがありますよ。土日は群馬中の人が集まるんじゃないかってくらい、尋常じゃない混み方ですよ。もう毎週お祭りみたいな大渋滞さ。車でBOOWY(元メンバーの氷室京介や布袋寅泰は群馬県出身)聴きながらね。

それに皆さんね、群馬には何もねえ何もねえって言うけど、世界に3つしかないハーゲンダッツの工場の1つは高崎にあるから。

サッポロ一番みそラーメンもペヤング(ソース焼きそば)も群馬で作ってる。群馬なくなったら困るよ?」