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佐藤優が見た小池都知事の「巧みな戦略」〜狙うは次期総理の座!?
「日本の小池百合子」へ着実な足場固め

2020年に控えたオリンピックの開催費用が、当初の予定より約4倍に膨れ上がるとして、コスト削減の検討に入った小池知事。このニュースを受け、佐藤優氏は、小池知事は現職の次のステップとして総理大臣も視野に入れている可能性があると指摘。その理由を文化放送「くにまる・じゃぱん」の番組内で明かした。

※本記事は、『佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」』に収録している放送内容(2016年9月30日放送)の一部抜粋です。

手持ちのカードの使い方がうまい

砂山圭大郎(以下砂山) いま東京都の問題がさまざま出ていますけれど、オリンピックの問題では、予算が膨らみに膨らんで、代替地という話まで浮上してきました。佐藤さんはいかがお考えでしょうか?

佐藤優(以下佐藤): 小池さんはものすごく頭のいい人です。このオリンピック・パラリンピック競技会場のニュースは豊洲の問題とも絡んでいますが、お金がほぼ4倍になるなんて、メチャクチャな話ですよね。

砂山 そうですね。

佐藤: しかし、これが2倍で収まるかといえば絶対にならない。そうとうのお金はかかりますが、小池さんは東京ではなく、地方にお金を落とすことを考え始めているのだと思います。

砂山 ほお。

 

佐藤: そうすれば、「東京の小池百合子」ではなく、「日本の小池百合子」になる。彼女は東京都知事からのステップとして次は総理大臣を狙っているから、こういうことを始めているのだと思うんです。だから、東日本大震災の被災地の宮城や、あるいは新幹線が近くを通っている場所、つまり地方に分散させる。

日本は毎年、47都道府県で持ち回りで国体を開催していますから、47年のサイクルで一度は施設を更新しています。過去10年以内に新しくした施設であれば、手を入れずにそのままオリンピック会場にできるわけです。

そうやって、東京都が持っているお金を地方に渡し、経済負担はかけさせない。選手団が来ることによる経済効果もありますよね。これによって小池さんの評判はうなぎ上りになります。

砂山 それを狙う小池知事は、ボート会場を宮城に、という話をした。

佐藤: そうです。言い方は悪いですが、宮城県にしてみれば棚からぼたもちですよね。

砂山 すべてを都で開催したら、得をするのは東京だけじゃないか、という意見がありました。それを分散させようということですね。

佐藤: はい、新幹線という便利な乗り物がありますからね。新幹線を使えば、都内をバスで移動する時間と大して変わらない。

砂山 はい。

佐藤: こういう理由で、頭のいい人だと思います。今の手持ちのカードでWIN-WINゲームを作っていくという発想です。

〔PHOTO〕gettyimages

砂山 オリンピック組織委員会としては、現在まで東京開催で進めていた競技団体やIOCになんて説明したらいいんだということですが。

佐藤: はい。ですが、民意を味方につけたほうが勝ちなんです。その意味においては、小池さんは田中真紀子さんに学んでいると思います。

砂山 なるほど。

佐藤: 田中真紀子さんが今から15年前に外務大臣として登場した時は、大変なフィーバーでしたよね。

砂山 はい。

佐藤: 外務省の機密費問題にテコ入れし「外務省は伏魔殿だ」となった。これと同様の感覚で捉えれば今、都庁は伏魔殿です。その背景があるから、言えば何でも通りますよね。ですから豊洲問題ととても関連しているんです。

砂山 では、その豊洲の問題にまいりましょう。

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