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意外と脆いニッポン経済!黒田総裁の「失敗策」がもたらすリスク
マイナス金利にも限度がある

黒田総裁が打ち出した「策」

「策士、策に溺れる」の例えの典型だろうか―。

黒田日銀は先週水曜日(9月21日)の金融政策決定会合で、注目の「総括的な検証」を行い、刹那的としか言いようがない”金融引き締め”策を打ち出した。

その柱は、民間銀行が日銀に余資を預託する当座預金金利(-0.1%)の更なる引き下げ(マイナス金利の深掘り)という肝心の施策を見合わせる一方で、半年以上にわたってマイナスで推移してきた長期金利を0%に押し上げるというものだ。

はっきり言って、中途半端な政策だろう。早くも効果に疑問が生じている。債券市場では、「総括的な検証」を受けた21日午後、長期金利の指標である新発10年物国債の利回りが約半年ぶりにプラスの水準(0.005%)を回復したものの、祭日(秋分の日)を挟んだ23日には-0.055%とあっさりマイナス水準に逆戻りした。

結果として、頼みの綱は、年内実施が期待されている米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げだけという状態に陥った。この利上げが遅れたり、できなかったりすれば、円高圧力が高まって日本からの輸出のペースが鈍るリスクがある。潜在成長率の低下に悩む日本経済の減速が、これまで以上に懸念されることになるだろう。

最初にお断りしておくが、筆者は常に本コラムを独立した経済ジャーナリストの観点から書いている。

筆者がゆうちょ銀行の社外取締役を兼務していることを理由に、8月2日付の拙稿「間もなく『マイナス金利の深堀り』という一手を打ちそうな日銀・黒田総裁が、絶対にやってはいけないこと」が「ゆうちょ銀行の立場を代弁しているのではないか」と勘繰る向きがあると聞くが、ピント外れな憶測である。

会社の立場を代弁(説明)するのは、実務に従事する執行部の責務だ。業務執行取締役を兼務せず、独立して執行部を監視監督することが使命の社外取締役の座にある以上、筆者が執行部の責務を代行することはない。

あわせて、筆者は、ゆうちょ銀行の社外取締役を務めている事実を隠そうとしたことは一度たりともないことも明言しておく。2014年5月13日付の「私が『ゆうちょ銀行』の社外取締役を引き受けた理由」など一連のコラムを一読いただけば、それは明らかなはずである。

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