金融・投資・マーケット 経済・財政
「経済、経済、経済であります」安倍首相の一声が黒田総裁を変えた
やっぱりマイナス金利0.2%くるか

黒田日銀総裁の態度が急変

日本銀行の黒田東彦総裁の市場対話スタンスが明らかに変わった。これまでの突拍子もないサプライズ思考からフォワード・ガイダンス(先行き示唆)的な姿勢を取り始めたのだ。

9月21日の政策決定会合での総括的検証が、まさにその象徴である。憶測に過ぎないが、黒田=日銀のこれまでの金融緩和策について菅義偉官房長官から6月下旬に安倍晋三首相の懸念・不満が伝えられたのではないか。

1月は市場の誰一人予想していなかったマイナス金利を導入し、金融機関から総反発を食らうなど大きな混乱を招いた。4月には追加緩和への期待が最も高かった時に先送りし、市場関係者の失望を買った。

要は、中央銀行としての信頼・クレディビリティを失墜してしまったのだ。ところが、7月は市場が期待した通りのETF(市場投資信託)増額を決め、評価を得て今回の総括的検証という形で追加緩和を示唆したのである。

マイナス金利に関して賛否両論がある中、9月はさらなる深掘りを見送ったことで銀行株は大きく反発、それが日経平均株価全体を300円も押し上げた。取りあえず、市場は安堵・好感した。

今回の日銀の追加措置を一言でいえば、短期的加速から持続性の政策へのシフトである。金融政策の新たな枠組み、即ち「イールドカーブ(利回り曲線)・コントロール」(長短期金利操作)と「オーバーシュート型コミットメント」(マネタリーベース・資産購入額を長期的に持続すること)を設けたのである。

マイナス金利導入後、長期金利が日銀の想定以上に下落して、皮肉なことにインフレ期待を上げるのではなく、デフレ懸念を助長してしまった。この点を金融庁(森信親長官)は批判してきた。

なぜならば、従来の中央銀行は政策として短期金利のみを操作するのが鉄則だったからだ。しかし、黒田総裁率いる日銀は今回、イールドカーブの形状を是正するために短期金利と長期金利の両方を操作する手法を採用した。短期金利は政策金利を下げる、長期金利は国債を購入することでイールドカーブを左右させることを企図している。

〔PHOTO〕gettyimages
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