電流はなぜ流れる? 身近な疑問から電磁気学の本質に迫る
これが実に面白い

電磁気学の理解が面白いほど深まる!

電磁気学の理解のためには数式ではなく、まず電場や磁場を「電気力線」「磁力線」によって、物理的なモノとして捉えることが大切です。「力線」の運動の法則、その集大成が電磁気学なのです。

本書では、ファラデーによる「力線」の着想を軸に、現代物理につながるように電磁気学を説明します。スマートフォンやICカードなどの応用技術にも触れ、読めば電磁気学の全体像がよく分かります。

まえがき

電池のプラス極・マイナス極を豆電球に導線でつなぐと、電流が流れて豆電球が光ることは誰でも知っている。小学校の実験である。

しかし、電気にプラスとマイナスがあるのはなぜか? 電流はなぜ流れるのか?

電磁気学を学べば、このような単純な実験からも、その背後にある物理の基本原理に触れることができ、実に面白い。

そのような身近な現象を手がかりに、電磁気学を自ら学ぶ助けとして執筆したのが、この本である。私は長年にわたって電磁気学の教科書を書き、講義してきた。そこでは必ずしも満足にできなかった基本概念の説明を、この本では読者が十分に納得できるように行った。

そのためには、まず電場や磁場を、数式よりも電気力線や磁力線によって一つのモノとして捉えることが大切である。これら力線とその運動の法則から、電磁波にいたるまで説明してみた。

また、基本概念や法則が作られる過程を、残された記録や実験装置を紹介して、それを今の電磁気学の見地から検討することを試みた。これは、理解を助けるとともに、研究の現場の雰囲気を感じてもらうことにもなる。

この本にも数式が少しは出てくる。しかし、その大部分は四則計算である。面積分、線積分が出てくるが、これは絵文字みたいなものだとして読んでほしい。その説明は「数学メモ」として書いてある。

電磁気学の原理は、スマートフォンやICカードなどの動作と直結している。そういう話題も織り込んだので、楽しんでもらいたい。

著者 中山正敏(なかやま・まさとし)

1936年、福岡県生まれ。福岡県立修猷館高校から東京大学に進み、同大学理学部物理学科を卒業、同大学大学院数物系研究科を修了。理学博士。東京大学助手、九州大学助教授、米国ブラウン大学客員教授を経て、九州大学教授、放送大学教授を歴任。現在、九州大学名誉教授。日本物理学会物理教育委員会初代委員長。専門は、半導体を中心とする固体物理学の理論、表面の理論、環境システム論、物理教育。主な著書は、『電磁気学』『基礎電磁気学』『基礎演習シリーズ 電磁気学』(いずれも裳華房)、『物質の電磁気学』(岩波書店)など。趣味は、散策、旧作やアジア・中東映画の鑑賞。
ひとりで学べる電磁気学
大切なポイントを余さず理解

中山正敏=著

発行年月日: 2016/09/20
ページ数: 276
シリーズ通巻番号: B1986

定価:本体  1080円(税別)

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(前書きおよび著者情報は初版刊行時点のものです)