イクメン旅行作家が大公開! 初めての「子連れ海外旅行」成功の秘訣
シルバーウィークはどこへ行く?

はじめての海外旅行は台湾だった。自分の話ではない。もうすぐ1歳になる我が子の、初海外の行き先である。

子どもが生まれる前から夫婦2人ではしばしば旅行はしてきたのだが、子連れでの旅となると勝手がまったく分からない。

終始あたふたしながらも、我が家なりに異国を満喫してきた。超初心者目線での子連れ海外旅行の模様を紹介したい。

とにかく分からないことだらけ

そもそも、子育て自体がはじめての経験である。日常生活からして悪戦苦闘の連続で、果たして旅を楽しめるだろうかという不安もあった。いざ実践するにあたっても、まずは色々と調べたりすることから始めたのだ。だって、分からないことだらけだから。

幼児でもパスポートは必要

たとえば、幼児でもパスポートは必要なのか。答えは「必要」なのだが、恥ずかしながら最初は知らなかった。あまりにも初歩的な疑問とはいえ、自分が当事者になるまでは考えたこともなかったのが正直なところだ。

パスポートが必要だと分かって、今度はその取得方法についても疑問点が生じた。手数料は大人と同じなのか、5年と10年どちらがいいのか。答えは「料金は大人より安い」「5年のものしか取得できない」である。5年有効のパスポートの手数料は大人が計11,000円なのに対し、子どもは計6,000円と半額近い。5年も経てば顔も別人のように変わってしまうだろうから、10年のパスポートなんてきっと現実的ではないのだろうなあとも思った。

また、要注意なのが、親が代理申請するケースだ。自分の場合、東京都庁にあるパスポートセンターが最寄りなのだが、新宿のような混雑する街へ幼い子ども連れで行くのは骨が折れる。それゆえ、できれば代理で済ませたいところだが、なんとこれが不可能だという。申請時は親のみでもいいが、受け取り時は必ず本人を連れて行かなければならない。案外、融通が利かないのだ。まあでも、これはルールなので従うしかない。

初海外は親が行ったことのある国がいい

初めての渡航先に台湾を選んだ最大の理由は、日本からの近さである。幼児連れで飛行機に乗るとなると、それだけでやはりハードルは高い。フライト時間はなるべく短い方がいいわけで、そうなると台湾か、あるいは韓国あたりが候補に上る。

そんな中で台湾にしたのは、個人的に馴染み深い国だからだ。過去にたびたび訪問しており、これまでの渡航回数はふたケタに上る。台北の市街地であれば、地図がなくてもある程度は行き来できるぐらいの土地勘がある。不慣れな子連れ旅だからこそ、行き慣れた国を選んだというわけだ。

LCCでは幼児に限り無料

日本〜台湾間にはいまではLCCが多数就航し、格安で渡航できるようになった。子どもが生まれると何かとお金がかかるから、旅費は可能な限り節約したい。というわけで、飛行機に関しては必然的にLCCを選択することになった。はじめての海外旅行がLCCというのも、イマドキの旅という感じがして悪くない。

具体的には、今回利用したのはピーチ・アビエーション(以下ピーチ)だ。これも調べるまでは知らなかったことだが、幼児に関する料金ルールは航空会社によって異なるらしい。ピーチでは国内線・国際線共に2歳未満の子どもは無料となっている。

ちなみに、うちの子はまだ小さいので関係ないが、2歳以上12歳未満の子ども(小児)に関しても、ANAやJALにあるような子ども料金の設定がLCCのピーチにはないようだ。小児であっても、大人と同じ金額の料金が発生する。LCCの方が元の料金が安いものの、子どもの年齢や人数によってはむしろ割高になる可能性もあるわけだ。子連れの場合には、目先の運賃の安さではなく、最終合計金額で比較するべきだと学んだ。

ベビーカーもLCCでは有料なのか?

LCCでは機内預け荷物はオプション扱いとなっている。この荷物代が結構バカにならない金額なので、大人だけの短期旅行であれば、手荷物は極力コンパクトにまとめ、すべて機内持ち込みにしたりもする。ところが、今回は子ども連れということで、そうもいかない。予約時にオプションで支払っておいた。預け荷物の料金は事前にオーダーした方が安く、出発当日に空港で支払うとだいぶ高くなる。予約の際に一緒に申し込むのが定石だ。

ここで気になったのが、ベビーカーの扱いである。ANAやJALでは別途荷物代を支払うことはないからこの問題とは無縁だ。まさにLCCならではの素朴な疑問といえるだろう。果たしてベビーカーは有料なのか。答えは「無料」である。オプションの預け荷物を申し込んでいなくても、ベビーカーは例外的に無料で預かってくれる。ちなみにこれはピーチに限らず、ほかのLCCでもだいたい同様のようだ。

機内座席は後方がベター

荷物のほかにも、LCCでは座席指定も有料となっている。これも大人だけなら節約するところが、今回は子連れだったので指定してみた。座席はどこがいいのかについても、子連れだと改めて思案することになる。

子どもが泣いたら立ってあやす場面もありそうだし、荷物の出し入れする頻度も高そうだから、通路側の方がいいだろう。さらには、あえて後方の座席を選ぶことにした。到着してすぐに出られる前方が通常は人気だが、子どもがいるからむしろゆっくり行動したい。

実際乗ってみて、この選択は正解だと感じた。後方のほうが空いていたのだ。周囲に気兼ねしなくて済むのは大きい。座席の問題だけをとってみても、大人だけの旅行とはセオリーが異なることを痛感させられたのだった。

子連れにやさしい日系LCC

自分が子どもの頃、飛行機に乗ると客室乗務員のお姉さんからおもちゃがもらえるのが密かな楽しみだった。ANAやJALではいまでも子連れ客におもちゃを配っているが、今回はなにせLCCである。そういうサービスは諦めていたのだが、いい意味で期待を裏切られた。

台北に到着し、飛行機を降りようとしたときのことだ。客室乗務員のお姉さんからカードのようなものを手渡された。見ると手書きのメッセージカードで、うちの子どもの名前とともに「初海外旅行おめでとうございます」などと書かれている。手作りながらも、飛行機のシールが貼られていたりして、なかなか凝った1枚である。いつの間に書いたのだろうか。気持ちのこもった贈り物に感激してしまった。

実はフライト中も「大丈夫ですか?」などと声をかけてくれたりして、初の子連れ海外に不安な親としては心強かったのだ。通路に立ちながら子どもを抱っこであやしていたときに、そういえば名前や今回の旅の目的について質問されたのを思い出した。

まさかこういう形でサプライズのプレゼントに仕立て上げてくれるとは。おもちゃもうれしいが、これはこれで旅の素敵なお土産といえる。忘れられないファースト・フライトとなった。

ピーチの客室乗務員さんと(撮影/著者の妻)

到着したらまず授乳室を探せ

台北には空港が2つある。市内に近い松山空港と、少し離れた桃園空港で、LCCを利用する場合には基本的に桃園空港に発着する。よって、ここで書く話は、すべて桃園空港に関するものであることを断っておく。

飛行機を降り、空港建物に入ってまず向かったのが授乳室だった。昔、喫煙者だった頃には、飛行機を降りたら真っ先に喫煙室を目指すのが常だったのを思い出す。目的地が喫煙室から授乳室へと変わったわけだ。ささやなかながら、自分としてはこれもひとつの変化と言える。

飛行機が到着するゲートにもよるが、今回は出てすぐ目の前にトイレがあり、ちょうど男性と女性の入口の中間に授乳室を見つけた。中は広々としており、カギもかかる。とりあえずはオムツだけ交換した。外国とはいえ、することは一緒なのでとくに悩むことはない。室内が思ったより綺麗なのには安心した。

ちなみに、桃園空港のターミナル1では、到着ロビーの近くでも授乳室を見つけた。こちらはトイレに併設されたものではなく、専用ルームのような豪華なつくりで、一見の価値がある。台湾では看板が漢字表記で、授乳室は「哺乳室」となっていたのも印象的だ。なお、英語だと「Nursing Room」というが、それらの単語を知らずとも、案内所で「ベイビー・ルーム?」と訊けばだいたい通じることも分かった。

台湾・桃園空港の授乳室(撮影/著者)

イミグレーションも楽々通過

到着早々もたついてしまったせいか、入国審査のカウンターへ到着したときには既に行列ができていた。しかも運悪く複数の便の到着が重なったようで、見たところ列はかなり長い。

まあでも仕方ないか……と、意を決して最後尾につく。すると係のお兄さんがツツツと寄ってきて、僕たちを手招きした。はて、なんだろうか? 促されるままついていくと、一番端のブースに案内された。どうやら優先レーンのようだった。子連れだからと特別扱いしてくれたのだ。これまで何度も海外旅行はしてきたが、こんな経験は初めてである。至れり尽くせりの対応に感激した。

ベビーカーは軽量で扱いやすいものを

無事入国を果たし、続いて預けていた荷物をピックアップする。LCCでは荷物が有料で、個数が増えるとそれだけ荷物代が高くなる。いつもは夫婦別々のカバンだが、今回は節約のために、手持ちで一番大きいサイズのスーツケースに一家全員の荷物をまとめていた。さらにはベビーカーもピックアップする。

実はベビーカーについては持っていくかどうか最後まで悩んだ。旅の荷物は少ない方がスマートで、かさばるものはなるべく避けたいからだ。けれど、結果的には持ってきて良かったという感想である。あるとやはり便利なのだ。抱っこひも(エルゴ)も併用していたが、ずっと抱っこというわけにもいかない。それにベビーカーはカート代わりにもなる。子どもを乗せないときでも、荷物を運搬するのに重宝した。

ちなみにベビーカーは定番の「エアバギー」を使っていた。大きなタイヤによる安定した走行性が魅力なのだが、正直なことを言えば、旅先で使うには少々大きすぎるかなあと感じた。エアバギーは重量があるため、階段を上り下りしたり、タクシーに乗る際にトランクへ収納するのに取り回しが面倒なのだ。普段使いのものとは別に、サブとして旅行用に軽量なものをもう1台欲しくなった。