不動産
都心でマンション「大暴落」、売れ残り続出…要注意エリアはここだ!
2020年まで持たなかった

全国のマンション数は600万戸超。毎年10万戸前後の新築物件が生まれる巨大市場だが、それがついに「暴落劇」に襲われ出した。しかも、発火点はなんと都内の「中枢」。これはただごとではない。

駅近物件でもダメ

成城、三軒茶屋など、「住みたい街ランキング」で上位にランクインする街を多く抱える世田谷区。不動産業界では「世田谷は鉄板」「作れば売れるエリア」というのが常識だったが、ここに大異変が起きている。

世田谷のマンション市場でまったく新しい「売れ残り現象」が発生し、マンション業者たちが悲鳴を上げ始めたのだ。

住宅ジャーナリストの榊淳司氏が言う。

「物件が完成しているにもかかわらず売れ残る、いわゆる『完成在庫』を抱える新築マンションが急増しています。

そもそも新築マンションというのは建物ができる前に販売を開始し、完成前に全住戸を売り切るのが基本。それが完成前に売り切れずに、完成後もマンションの壁面に『販売中』などの看板を掲げざるを得ない物件が続出しているのです。

私の把握している限りでは、区内で販売中の新築マンション35物件のうち、7月末時点で23物件が完成在庫を抱えていた。実に7割の新築マンションが売れ残っているわけですが、私がマンション市場を30年以上にわたってウォッチし続けている中で、こんな風景は見たことがない」

実際にそうした「売れ残りマンション」を回ってみると、想像を超える惨状である。

東急沿線で外国の大使館なども建つ超人気住宅街のマンションは、昨年完成しているにもかかわらず1割弱が売れ残り状態。一般的には真っ先に売れていくはずの最上階の部屋でさえ、いまだ「販売中」だった。現地での見学会の予約状況も「残席あり」が目立ち、大手デベロッパーの「億ション」にしてはあまりにお寒い状況である。

環八沿いで交通至便、近隣に有名校も多い人気住宅エリアに建つ別のマンションは、今夏に完成。住戸数を限ったプレミアム住宅ながら6000万円台の価格が「売り」の物件だが、2割ほどが売れ残り中……。モデルルームでは抽選で高級家電が当たるキャンペーンまで展開しているが、南向きや角部屋といった「売れ筋」さえ残っているから、目も当てられない。

売れ残りマンションの現場では、こうした大盤振る舞いのキャンペーンがエスカレート。来場者に税理士の無料相談を提供したり、ギフトカードなどを配るのは当たり前。中には、成約者に「100万円相当」のプレゼントをするところまで出てきており、「売れれば何でもあり」の状態になっている。

「大幅な『値引き』も始まっています。中には『×××万円ダウン』などとお客に大々的にPRする物件まで出てきた」(地元不動産業者)

前出・榊氏も言う。

「こうした売れ残りマンションには、三菱地所、三井不動産、住友不動産、野村不動産などの大手デベロッパーが手掛けた人気ブランドマンションが多く含まれています。

さらに、下北沢など超人気住宅街の物件、主要駅から徒歩5分圏内の駅近物件、低層のプレミアム物件など、これまでなら『即完売』が約束されたマンションでさえ売れ残っている。マンション市況が崩壊する予兆を感じます」

国交省の衝撃レポート

実際、こうした異変は世田谷に限った話ではない。ここ数年のマンションブームの象徴である湾岸エリアのタワーマンションもまた、「大暴落」の危機に直面している。

いま不動産業界で話題なのが、国土交通省が8月末に発表したレポート。正式名称は『主要都市の高度利用地地価動向報告』なるもので、全国主要都市の最新地価動向などについて不動産鑑定士や地元不動産業者、金融機関などから国交省が情報を収集。その情報をもとに、各地の最新動向を調査・分析した内容が仔細に書かれている。

この報告書は3ヵ月ごとに出されるものだが、その最新号が湾岸エリアの赤裸々な実態を暴露したことで、業界関係者が騒然としているのだ。

まず佃・月島エリアについては、〈新築、中古マンションの取引共に陰りが見え始めている〉と指摘。

そのうえで、〈平成28年年初以降株価が下落し、経済状勢の不透明感から資産保有目的の個人富裕層による取得需要が減退しており、晴海地区など利便性の劣る地区を中心に分譲マンションの売れ残りが見られるなど弱まりをみせている〉と「売れ残り」の実態を暴露している。

続けて豊洲エリアは、〈東京五輪開催決定以降、購入層の取得意欲は高く、新築・中古ともにマンション価格は上昇を続けてきたが、一次取得層による購入限度額が近づいている〉。一次取得層とは、初めて住宅を購入する層のこと。

そのため、〈需要者による物件の取捨選択が行われるようになり、割高な物件がやや売れにくくなっている。建築費高騰の影響からデベロッパーの採算性が厳しくなっている〉と、業者の「内情」にまで踏み込んだ実態を明かす。

さらに、有明エリアにいたっては、〈東京五輪開催決定以降の販売価格の上昇や売出物件の増加により、当地区のマンション成約価格は頭打ちの傾向が見られる〉としたうえで、〈湾岸エリア全体では更なる大量供給が控えていることから、今後は価格調整局面を迎えることが予想される。マンション市況はピークアウトしているとの見方が強い〉。

湾岸エリアは「もう終わり」との書きぶりなのだ。