ベストカー
半数近くの人が誤解している「自動ブレーキ」の本当の意味
何を判断基準にすればよいのか

半数近くが誤った認識

最近は標準装備している新型車が続々と増えている衝突被害軽減ブレーキ。近頃は"自動ブレーキ"などと呼ばれることも多いが、この先進安全装備について誤って認識している人が多いという。

〔PHOTO〕iStock

JAF(日本自動車連盟)が3万5614名のドライバーを対象に、自動ブレーキなどASV(先進安全自動車)への関心度や認知度、理解度に関するアンケートを実施したところ、自動ブレーキなどの名称については97.3%が知っていると回答。

しかしながら、その機能まで知っているという人は50.4%、装置が作動しない条件も知っている人は24.8%と、認知されているわりに実際の理解は進んでいないのだった。

さらに、「自動ブレーキ」や「ぶつからないクルマ」はどんな装置か? という質問に、その特性を正しく答えた人は54.6%。

45.2%は「前方の車両や障害物などにクルマが自動的にブレーキをかけてくれる装置」など、自動ブレーキに対して過信や誤解をしているという。約半数も理解されていないのだ。これは問題だし危険だ。

一般的なドライバーの認識は?

クルマ好きの『ベストカー』読者のみなさんは「衝突の危険がある時に、音や警告灯でその危険を促すとともに、クルマが自動的にブレーキをかけて衝突を回避または被害を軽減する装置」と正しく答えられる人も多いだろうけれど、世間一般のドライバーには、自動ブレーキがそれほど正しく理解されていないのだった。

実際、一般的(最近ほぼペーパーらしい)ドライバーの弊社女性広告部員にJAFのアンケートと同じ質問をしたところ、自動ブレーキのことは知ってはいるものの、その機能などについては、よくわからないという。

一般的ドライバーの弊社女性広告部員。レヴォーグの自動ブレーキのセンサーはカメラであることは何となくわかっていたようだが、詳しい機能までは知らなかった

そして、「そもそもこれって、事故になる状況でも自動的にはブレーキかかりませんよね〜? 私は信用しないでちゃんとブレーキ踏みますよ!」。

う~ん、自動ブレーキを過信していない姿勢は正しい……、けれど自動ブレーキの機能を理解していないために、まったく信用していないというのも誤解のひとつだ。

しかも、弊社の社用車にも自動ブレーキ装備車があるのだが、女性広告部員は「えっ、ウチのハスラーにも付いてたんですか?」とも……。一般ドライバーには、自動ブレーキは特別な装備で、最近の新型車のほとんどに設定されていることも意外と知られていないのかもしれない。

そこで、説明がてらこの広告部員に社用車のハスラーとレヴォーグで実際に弊社周辺を走ってもらった。するとレヴォーグで走行中、前方のトラックが右折のためにブレーキを踏んだ時のこと。車間距離が少なかったのか「ピピピピ〜!」とブザーが鳴り、一瞬ググッとブレーキが!

「ブレーキしないと思ってましたが、ブザーが鳴って反応するんですね」と女性広告部員。

レヴォーグを運転中にアイサイトによる警報と緊急ブレーキを体験

自動ブレーキの内容まで知られていないために、いろんな誤解があるのだろうが、次のテーマでは「なぜ誤解されるのか?」を交通コメンテーターの西村直人氏の解説でお伝えしていこう!

どうすれば誤解を防げるのか? TEXT/西村直人

2014年末現在、乗用車だけで約15.4%にまで普及(国土交通省「ASV技術普及状況調査」より抜粋)した正式名称「衝突被害軽減ブレーキ」(本稿では以下、自動ブレーキと表記)だが、普及率の高まりとともにその効果に対して誤解されるケースも増えている。

これはJAFが行ったアンケート結果のみならず、これまで西村が取材してきた先々でも「装着されていれば絶対に止まるんでしょ」とか、「機械だからミスはないんですよね」といった声を耳にすることが多々あった。

自動ブレーキに対する誤解が生じた原因は大きく3つ。1つ目の誤解は「自動という言葉のもつイメージ」。2つ目は「正しく普及させることの難しさ」。そして3つ目が「システムの最終段階で作動する自動ブレーキだけが焦点となったこと」だ。

以下、順を追って説明したい。

1つ目。世の中には"自動"とつくものが山ほどある。自動扉や自動改札、自動車だってそうだ。白物家電では"全自動洗濯機"が当たり前のように普及した。

ここでの課題は、自動と聞いて抱くイメージは人によって違うこと。なかには「自動ブレーキはどんな時でも100%機能してくれる」と解釈する人も出てきてしまう。