週刊現代
SMAP解散、キムタクがそんなに悪いのか?
いつの間にやら「悪者」扱い

いつのまにか「キムタクが裏切った」、「香取は純粋だった」という構図が出来上がった。だが、25年以上も連れ添った40がらみの男5人が今さらお互いの好き嫌いを言ってどうするのか。

4人で木村を無視

木村拓哉(43歳)がスタジオセットに入ると、他のメンバー4人はピタリと会話を止めた。この日もいつもどおり4対1のままだった—。

それでも、ゲストであるリオ五輪柔道金メダリストのベイカー茉秋が登場すると、5人は笑顔で、

「おめでとうございます」

と声を揃えた。

8月24日、東京・お台場のフジテレビ湾岸スタジオ。解散発表後、初めて「SMAP」5人全員が顔を合わせて、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の収録に臨んだ。

スタジオには臨時の専用パスがなければ入ることができず、内部ではメンバー一人一人に警備員がついたという。

「5人の楽屋は以前からバラバラで5つ用意されています。ただ木村さんだけは楽屋を使わずに、スタッフが休憩するスタジオの手前にある前室にいました。ここでスタッフと談笑しながら、本番を待つのがいつものスタイルです。

他の4人は先にスタジオ内に入り、メンバーやスタッフと雑談することもあって、ときには笑顔も見せていました。でも、木村さんの姿を見た瞬間に無表情になったそうです」(フジテレビ関係者)

こんな状態がもう8ヵ月間続いている。この日も木村と、中居正広(44歳)、稲垣吾郎(42歳)、草なぎ剛(42歳)、香取慎吾(39歳)が目を合わせて会話することはなかったという。番組スタッフは頭を抱えている。

〔photo〕iStock

「観客を入れることができず、『笑い』は後から編集で加えています。こんな雰囲気ですから、人気コーナー『ビストロSMAP』に、番宣であってもなかなかゲストで出演してくれる芸能人が決まらない状態です。

自分からスタジオを盛り上げてくれる、芸能界にしがらみのないゲストということで、元大阪市長の橋下徹氏が出演します。この日の収録には柔道のベイカー茉秋選手も参加しましたが、メンバー5人のテンションが上がるような、アスリートや海外のゲストをいま必死にブッキングしています。

番組スタッフには『木村派』が多いですよ。なにせ木村さんが番組内で話しかけても、他の4人が誰も反応しないんですから、見るに堪えないんです」(前出・関係者)

メンバーで唯一、「独立反対派」だった木村は、他の4人から「裏切り者」扱いされている。

デビューから鳴かず飛ばずだった『SMAP』を国民的グループにまで育て上げた剛腕マネージャー・飯島三智氏(59歳)が、昨年1月に事務所からの独立を決意。その後、木村も含めてメンバー全員が飯島氏についていくことに同意した。

だが、木村だけが後日これを撤回したことで、中居らとの間に深い溝が生じてしまった。

「5人で集まって話し合ったことはありません。飯島さんがそれぞれと話をした結果。本来、木村さんは情に厚い。だから、最初は恩人に同調したのですが、家庭を持っていることが他のメンバーと決定的に違いました」(ジャニーズ事務所関係者)

木村の妻である工藤静香(46歳)が大反対した。

「独立して失敗したらどうするの。私たち家族のために事務所に残って」

と夫を諭し、飯島氏にはこう噛みついたという。

「ウチを路頭に迷わす気ですか」

中年のマイホームパパ

木村はバラエティ番組のレギュラーは『スマスマ』以外にはなく、演技派俳優という評価を業界で得ているわけでもない。40代も半ばに差しかかり、正統派アイドルとして岐路に立っている。

「そうした実情を最も理解していたのが、静香さんなんです。この年齢で大きなリスクを背負うわけにはいかない。

姉さん女房の静香さんに木村さんは頭が上がらないんです。許可がなければ呑みにもサーフィンにも行かないし、静香さんに言われて愛車を売ったことさえあります。さらに木村さんは二人の娘を溺愛しています。これが決断にもっとも影響していると思います」(前出・関係者)

長女(15歳)も次女(13歳)も現在都内のインターナショナルスクールに在学中だが、これは木村の意向だと言われる。

「キムタクと静香の娘ということで、色眼鏡で見られないように海外で活躍してほしいというのが、木村さんの願いです。今後は海外留学を視野に入れており、ますますおカネがかかる。

しかも家族のプライバシーも、今の事務所を辞めたらマスコミから守ってもらえるかどうかはわからない。木村さんはそう考えて残留を決意せざるをえなかったんです」(前出・関係者)

キムタクも素顔は嫁には逆らえない、中年のマイホームパパにすぎなかったわけである。

しかも、独立しないことは、「SMAPを守るため」でもあると木村は考えていたのだという。

静香は8月23日に羽田空港でマスコミに囲まれ、当初は質問に答える気はなさそうだったが、夫が悪者扱いされていることについて聞かれると、

「みなさんの想像とは違うと思いますが」

と険しい表情で明言した。これは木村がメリー喜多川副社長(89歳)に寝返った恩知らずだと、世間にもイメージが定着したことへの反発のあらわれだろう。

「木村夫妻は芸能界に幅広い人脈があります。そうした付き合いのなかで、SMAPが独立した後、芸能界の大物たちが本当に後見人となって仕事がこれまでどおりに保証されるとはかぎらない、という結論に木村は達したそうです。

ジャニー喜多川社長(84歳)やメリー副社長が健在のうちに顔に泥を塗るようなことをすれば、グループの今後のためにならないと考えて、『今は動かないほうがいい』と飯島さんに伝えたと聞いています。

しかし、飯島さんらはメリー氏の引退を待てず、SMAPの価値が下がる前にと焦ってしまったのでしょう」(テレビ局幹部)

逮捕されても結束したのに

8月22日、休暇から帰国した成田空港で、

「去年の末から今回の騒動に至るまで自分自身は全然変わってない」

と発した木村の言葉にウソはないのだろう。が、その想いが、他の4人に伝わることはなかった。

「木村はこれまで結婚前と結婚後に合わせて2回、一人で独立する動きがあったんです。結局、それは収まり、いつのまにか静香とメリー副社長は昵懇の仲になっていた。子ども好きのメリー副社長から木村は娘たちへとプレゼントをよくもらっていました。

香取らはそんな姿も見ていたわけですから、『自分だけメリーさんに可愛がられて、存続も自分の都合でオレらを利用するつもりだろ』という気持ちなのでしょうね」(前出・テレビ局幹部)

かつてのSMAPは木村と、リーダーである中居のツートップを中心に上手くまとまっていた。

'09年に草なぎ剛が公然わいせつ罪で逮捕されたときは、中居は「お前、何してんだよ」と厳しく叱った。一方、木村は「大丈夫だからな」と優しく励ましたという。

だが、メンバー全員が40歳前後となり、既婚の木村と独身の中居、稲垣、草なぎ、香取の間にあった価値観のズレは次第に大きくなっていった。

「壮絶な喧嘩別れをした挙げ句、事務所を去ったメンバーが不遇となった『光GENJI』を間近で見てきた中居は、ギリギリまで解散を回避したいと思っていたようですが、結局、年下3人を説得することはできなかった。

こんな現状でグループとして歌うことのほうがファンに失礼だと考えて、諦めたそうです」(前出・テレビ局幹部)

一方で、ある大手芸能事務所幹部はSMAP自体が甘やかされてきた結果だとこう語る。

「SMAPが年末のジャニーズコンサートに参加しないことが象徴的です。事務所のなかで、彼らは特別扱いを受けてきたんです。飯島さんとその部下以外の会社の人間と接点もほとんどなかった。だから、ジャニー社長の提案にもノーと言える。

何十年も飯島さんに守られてきて、今回の騒動で初めて、芸能界の現実を垣間見たのではないでしょうか。番組の収録で目を合わせないというのは、子供じみています」

年収2億円を捨てる

年末の解散後もメンバー5人はジャニーズ事務所には残るが、待ち受けるのはイバラの道だろう。

木村も安泰ではない。近年のヒットドラマといえば、『HERO』シリーズぐらいである。来年の1月からTBSの日曜劇場に主演し、初めて外科医を演じるが、キムタクにとって正念場だ。

「これまで木村は、誰が演じてもカッコ良く見えて、ある程度の視聴率も見込める刑事モノと医者モノをあえて避けていましたが、そうも言っていられないということでしょうね。日曜劇場で大コケすれば、キムタクのブランド力も地に落ちることになります。

木村はメリーさんとは良好な関係ですが、娘で次期社長の藤島ジュリー景子副社長とはまだ信頼関係がない。ここで健在ぶりをアピールできなければ、体制が変わったときには、これまでのような木村のためのドラマが作られることはなくなるかもしれません」(スポーツ紙芸能記者)

草なぎも同じく1月クールからフジテレビで連ドラに主演予定だが、これらは飯島氏が決めた仕事にほかならない。

「新規の仕事については、映画会社やテレビ局、広告代理店もジャニーズ事務所の今後の出方について様子を見ている段階です。少なくともジャニーズが『元SMAP』のメンバーの仕事を積極的に獲ろうとはもうしないでしょう。

番組MCができる中居は、TBSをはじめ各局のプロデューサーと個人的にも信頼関係がありますから、急に激減するとは思えませんが、増えることもない。稲垣、草なぎ、香取はSMAPの看板がなければ厳しいでしょうね」(前出・テレビ局幹部)

なかでも強硬に解散を主張した香取は、近いうちに仕事がゼロになる可能性が高いが、本人は芸能界引退を決意しているという。香取は'96年度の時点で、年間納税額が5331万円で推定年収が1億1800万円。'04年に大河ドラマ『新選組!』に主演した以降の年収は約2億円と言われる。

それを投げ捨てるほど、木村とはもう仕事がしたくなかったということか。

「仕事をリセットして芸術活動をしたいそうです。草なぎと一緒にアパレル事業や飲食事業に乗り出すという話もあります。私生活では、20年以上交際してきた事実婚の恋人と籍を入れることにもなるでしょう。本人も『ようやく堂々とできる』と話していたそうです」(ジャニーズ事務所関係者)

解散まで4ヵ月。5人が肩を組んでファンの前で、「世界に一つだけの花」を歌うことはもうない。

「週刊現代」2016年9月10日号より