週刊現代
ヒョウタンの隣で育てたキュウリは「毒入り」になる
意外な「毒」植物のすがた

猛毒を秘めたヒョウタン

キュウリ、スイカ、メロンにカボチャと、毎日食卓に上るウリ科の植物たち。ヒョウタンもそんなウリ科の植物の一つ。縄文時代から栽培され、古くから水筒がわりに重宝されてきた。

また最近では、長いツルを利用して温暖化対策の「緑のカーテン」として役立つため、園芸植物としても人気が高い。

ところが、そんなヒョウタンは、すっとぼけた容姿とは裏腹に、死に至る危険性すらある猛毒を秘めているのだ。

2013年には、大阪府茨木市の市立小学校でヒョウタンによる大規模な食中毒事件が起きている。4年生の理科の授業の一環として校庭で栽培していたヒョウタンの実を、教師が試食を志望した生徒に食べさせてしまったのだ。

ヒョウタンを食べた28名の生徒のうち17名が中毒を起こし、うち1名は重篤な脱水症状に陥ったという。ちなみにこの教師は、事件を受けて懲戒免職となった。

今年7月にもやはり40~50代の男女が自宅で調理したヒョウタンで食中毒となり救急搬送された。搬送された男性は「インターネットに調理法が載っていた」と語っていたそうだが、それってよく似た形のユウガオ(これは食用である)とヒョウタンを混同していたのでは……。それぐらいヒョウタンと毒のイメージは一般に結びついていないことが分かる。

ヒョウタンの有毒成分はククルビタシン類。摂取すると胃腸不全を引き起こし、吐き気や嘔吐、下痢に苦しむことになるほか、海外では死亡事故も確認されている。

さらに恐ろしいのが、ヒョウタンはウリ科植物の性質として容易に交雑してしまうということ。

スペースが限られているからと、食用種のキュウリなどの近くでヒョウタンを育てると、たちまち毒入りキュウリが育ってしまうというから、たちが悪い。

とはいえ食べさえしなければ、ヒョウタンは人間にとって非常に有用な植物なのも事実。近年の研究で、ククルビタシンにはがん細胞の増殖を抑える抗がん作用があることが判明している。(栗)

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『週刊現代』2016年9月10日号より