野球
広島カープは球団史上最強だったあの1980年を超えられるか
悲願の優勝目前

球団記録更新の期待

四半世紀ぶりのリーグ優勝に向け、広島が快調に白星を積み重ねています。最短で9月7日には優勝が決まるそうです。

8月30日現在、広島は74勝46敗2分、勝率6割1分7厘。28の貯金を持ち、2位・巨人に11ゲーム差をつけています。残り試合は21です。

今後の戦いぶりにもよりますが、カープにはいくつもの球団記録更新の期待がかかります。

まずは球団史上最多勝ち星。過去最多は4度目の優勝を果たした1984年の75です。これは間違いなく更新しそうです。ただ84年は130試合制、今季は143試合制ですから単純に比較はできません。

では勝率はどうでしょう。過去最高は、やはり84年の6割2分5厘です。目下、勝率6割1分7厘のカープがこれを超えるには、残り21試合を15勝6敗で乗り切らなければなりません。

優勝が決まれば、10月12日からスタートするクライマックスシリーズに向け、ベテランを温存したり若手を試したりするケースが増えてきます。それを考えると、かなりハードルの高い数字と言えるでしょう。

ところで84年とは、どんなシーズンだったのでしょう。勝率6割2分5厘の原動力は安定した投手陣でした。チーム防御率3.37はリーグトップ。小林誠二=11勝4敗9セーブ、大野豊=10勝5敗2セーブ、北別府学=13勝8敗2セーブ、山根和夫=16勝8敗と4人の10勝投手を出しています。ちなみに今季のカープの防御率も3.39でリーグトップ。投手陣の安定なくして高勝率は望めないということでしょう。

しかし、30の貯金を残した84年でも、2位中日とのゲーム差は3です。9月4日までは中日の後塵を拝していました。決してぶっち切りの優勝ではありませんでした。 

カープ最強は'80年

球団史上最も2位にゲーム差をつけての優勝は1980年です。2位ヤクルトを6.5ゲーム引き離しました。

この年の広島は投打ともに充実していました。前年、“江夏の21球”により、初めて日本一になった広島はディフェンディング・チャンピオンのプレッシャーもものかは、5月13日に首位に立つと、一度もトップの座を明け渡すことなくゴールテープを切りました。

主力選手に脂が乗り切っていました。ホームランと打点の2冠に輝いた山本浩二34歳、31本塁打、85打点の衣笠祥雄33歳、最優秀救援投手の江夏豊32歳、若手リーダー格の高橋慶彦は23歳でした。

チームリーダーの山本浩二さんは選手、監督でカープ6度の優勝に全て関わっています。その山本さんが「一番強かったのは80年。あの年は負ける気がせんかった」と語っていました。日本シリーズは前年に続いて近鉄を倒し、日本一2連覇を達成しました。

カープ最強と呼ばれる80年よりも2位を引き離しているわけですから、今季の広島の実力はホンモノです。

とはいえ連覇を目指した1980年と、24年も優勝から遠ざかっている今季とでは、事情が異なります。96年には、いわゆる「メークドラマ」により長嶋巨人に最大11.5ゲーム差を引っくり返されています。この時のトラウマもあってか、心配のタネは尽きなかったようです。

最後まで緊張が解けなかったという意味では、球団創設26年目にして初優勝を果たした75年に似たシーズンと言えるかもしれません。