ベストカー
旧車オーナーよ立ち上がれ!経年車への重課税に今こそ異を唱える
クルマ好きはぜひ読んで、考えてほしい
古屋圭司議員

これはひとつの新しい"動き"といっていいだろう。クルマ好きとしては大いに興味を持って、今後の動向を注視していきたい。

5月25日、自民党本部会議室において「自動車文化を考える議員連盟」が設立され、その第一回総会が開催された。

さて、これはなにを意図した議連なのだろうか?

これに先立つ5月19日、「ノスタルジックカー税制を考える会」という仮称で呼びかけ人会が開催された。この呼びかけの中心人物となったのが務台俊介衆議院議員であり、趣旨に賛同した古屋圭司前国家公安委員会委員長が参加。また、同じく呼びかけに賛同する自民党議員が集まり、正式に議員連盟として設立に至ったのだ。

会の正式名称は古屋議員の発案により決定され、全会一致で古屋議員が会長に選出され、務台議員は事務局長として実務に当たることとなる。

自動車文化育成が地域活性化の起爆剤

現在、自動車税および重量税には「経年車」に対する重課が実施されている。これはエコカー減税に対するカウンターのような意味合いもあり、環境負荷の小さいエコカーの税負担を軽くする代わりに、古いクルマには一定の環境付加税的意味合いの重課を負担していただきましょう、という趣旨である。

《自動車税》

■ガソリンエンジン、LPGエンジンの登録車については、初年度登録から13年を超えたものについてはおおむね15%の割り増し

■ディーゼルエンジン車については初年度登録から11年を超えたものについては、おおむね15%の割り増し

■三輪以上の軽自動車については、初めて番号の指定を受けてから13年を経過したものについてはおおむね20%の割り増し

■EV、CNG車、メタノール車、ハイブリッド車については重課の対象外

経年車に対する自動車税、重量税の重課は上記表の通り。自動車税については13年超車に対し、一昨年度までは10%割り増しだったものが昨年度から15%割り増しとなった

《重量税》

■重量0・5トンあたり、4100円/年が本則だが、初年度登録から13年を超えたものについては5700円/年とする

■初年度登録から18年を超えたものについては6300円/年とする

というもの。重量税については、継続車検時に車検期間分を全納するのでここに示した金額の2倍となり、大きな負担としてのしかかる。

「自動車文化を考える議連」では、この重課の見直しを総務省や財務省に提唱するのが目的。もっと簡単にいってしまえば、「古いクルマに余計な税負担をかけるのをやめましょうよ」と呼びかけている。

会長を務める古屋圭司議員はクルマ好きでも有名。国家公安委員会委員長時代には警察の交通取り締まりに対する異を唱えたり、法定最高速度の引き上げを提唱するなど、自動車文化の広がりを積極的に推進してきた。

「自動車産業は日本の経済を支える基幹産業。自動車文化を広めることが基幹産業を下支えすることにつながる。また、経年車=ヒストリックカーは歴史的な意義ある文化財でもあり、こうしたものを大切にする文化が豊かな社会を作り上げていく。全国各地でヒストリックカーイベントが開催されていて、こうしたイベントが地域経済を活性化させる原動力にもなっている点を見逃してはならない」という趣旨の発言をして、自動車に対する理解の深さを感じさせた。だからこそ今回の議連の名称も当初の仮称「ノスタルジックカー税制を考える会」から「自動車文化を考える会」に変更されたのだ。

古屋議員はまた、この税制を管理する財務官僚や総務官僚を前に「文化という側面で考えていけば、重課が見直しの対象となることが理解できるはず。全保有台数から見れば、20年とか30年も昔のクルマの台数は微々たるもの。もちろん、古いクルマすべてを対象……というのではなく、一定の条件付けなどは必要だろうが、そうしたことを検討していく意義はあると思うので、財務省も総務省も一緒になって考えていっていただきたい」とも力説。

経年車の台数はとても少ない

ヒストリックカーの文化的意義、さらには古いクルマを大切にする人たちが自動車税を払うことに対して異はないということを力説する佐々木徳治郎全日本ダットサン会会長

古屋議員の発言にもあったように、初年度登録から一定の年数が経過したクルマが現在どの程度残っているのかというと、本ページ上段を参照していただくとわかりやすいのだが、きわめて少数だ。

乗用車に限ってみた場合、重課の対象とはならない12年以下のクルマが全体の80・7%を占めており、13~17年経過車は13・6%。クルマの寿命が長くなったといわれているものの、現実的にはこの程度。さらに初年度登録から20年以上経過したクルマとなると全体のわずか3・8%(224万2435台)。

議連で取り上げられた趣旨を持ち出すまでもなく、20年以上の経年車がおろしたての営業車のように毎日毎日走っているわけではない。30年以上も前のクルマとなれば、多くの場合は趣味的に所有されていて、年に何度かイベント時などに走らせられる、という場合がほとんどだろう。

重課の趣旨が「環境負荷に対するユーザー負担」だとすれば、年間5万km走るハイブリッドカーと、年間1000km程度しか走らないヒストリックカーで、どちらが環境にインパクトを与えるか!?

会に参加した全日本ダットサン会会長の佐々木徳治郎氏は「古いクルマを長く愛し続けている我々は、自動車に関する税金を払いたくないなどということは絶対にありません。ただ、今の重課は古いクルマに対する懲罰的な意味合いに感じられ、それがスッキリしないのです。税金を免除して欲しいなどというつもりはなく、せめて重課分を取りやめていただければそれでいいのです」と言っていたのが印象的だった。

重課分による税収という意味では、エコカー減税による減収分を補うにはほど遠いはずである。だからこそ、経年車に対する重課が買い換えを促進するための「懲罰的」意味合いに感じられてしまうのだ。