週刊現代
迫りくる「皇室新時代」~浩宮が天皇、雅子妃が皇后になる日
【特別対談】 原武史×青木理
〔PHOTO〕gettyimages

その日は確実に迫っている。雅子妃の病気療養や愛子さまの教育問題など、これまで不安が語られることもあった東宮家だが、時代は変わるのだ。私たち国民も今のうちに知っておくべきことがある。

はら・たけし / '62年生まれ。明治学院大学名誉教授、放送大学教授。日本政治思想史が専門。'08年『昭和天皇』で司馬遼太郎賞。『皇后考』ほか
あおき・おさむ / '66年生まれ。共同通信記者を経てフリージャーナリストに。『誘蛾灯 二つの連続不審死事件』『日本会議の正体』ほか

天皇制がはらむ矛盾

原 天皇の「お言葉」を聞いてまず気が付いたのは、71年前の8月15日正午にラジオ放送された終戦の詔書、つまり「玉音放送」と多くの共通点があったということです。

まず、あらかじめ日時を国民に告知していた点。玉音放送のときは、前日14日の夜9時と当日の朝7時過ぎの2回、予告放送がありました。

青木 今回は7月13日にNHKが突然、しかもスクープという形で断定的に「生前退位の意向」を報じました。8月4日には、同じくNHKが「放送は8月8日15時から、約10分間行われる」と詳細にすっぱ抜いた。

ネタがネタだけに、相当な確信がなければこんなことはできません。この内実はきちんと検証する必要があるでしょう。

原 もうひとつは内容です。玉音放送で、昭和天皇は敗戦や降伏と言わない代わりに、「ポツダム宣言を受諾しても国体は護持し得る」、そして「常に臣民と共にある」という点を強調していました。今回の「お言葉」も、生前退位とは明言しない代わりに、「常に国民とともにある自覚」という言葉が用いられています。

終わりかたも似ています。終戦の詔書は「爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ體セヨ」つまり「どうか国民は私の気持ちを分かってくれ」という言葉で終わるのですが、今回も「国民の理解を得られることを切に願っています」と、全く同じなんです。

昨年夏、玉音放送の原盤が公開され、天皇がそれを聴いたことも影響しているように思いました。