週刊現代 オリンピック
金メダリストはこんなふうに育てられた〜キーワードは「自主性」
萩野公介、白井健三、ベイカー茉秋…
団体で金、個人跳馬でも銅メダルを獲得した白井健三選手〔photo〕gettyimages(以下同)

リオ五輪では多くの日本人メダリストたちに列島が沸いた。彼らはいかにしてメダルをつかみ取るまでに成長したのか。知られざるその「育て方」とは。

白井家に伝わる4つの家訓

体操男子団体総合では金メダル獲得に貢献、さらに個人でも跳馬で銅メダルを獲得した白井健三(19歳)。リオ五輪で一躍注目を浴びた「ひねり王子」はいかにして生まれたのか。父・白井勝晃氏はこう明かす。

「体操という競技を専門的にやると、それだけに時間をとられてしまいます。ただ、そうすると体操が上手になっても、人間的に欠落した部分が多くなってしまう。そこで一般的な社会常識や基本的な礼節というものを教えるようにしてきました」

白井家のリビングには今も目立つ場所に、その教えを示す「家訓」が掛けられている。「嘘はつかない」「約束は守る」「姑息なことはしない」「物を大切にする」の4つだ。

「逆にそれさえ守ればあとは自分の好きなことをやりなさい、とも言っていました。のびのびとやりなさいよ、と」(勝晃氏)

白井家では決まった額のお小遣いはなく、欲しいものがあればその都度母親に伝えてお金をもらう。また学校にせよ体操教室にせよ、欠席の連絡は必ず自分でさせていたという。

「とにかく能動的に育ったせいか、健三はどんな体操の動きでも、見よう見まねですぐに覚えてしまうんです。5歳で出場した大会は、小学生に混じってのオープン参加だったにもかかわらず優勝点を上回るなど、エピソードには事欠きませんよ(笑)」(勝晃氏)

めきめきと才能を発揮した白井だったが、どんなときも家訓を忘れることはなかった。中学時代所属していた体操競技部の顧問だった白倉輝満教諭もこう振り返る。

「ルールはきちんと守るし、他の子たちに自分の能力を見せつけるような仕草も見せなかった。また、相当練習して疲れているはずなのに、勉強でもクラス上位の成績と、模範的な生徒でした」

次々と新技「シライ」シリーズを編み出すことができるのは、能動的な体操への取り組みと生来の研究熱心さの賜物だ。