「爆買い」進化論~彼らはいま「日本の本物」を欲している!
デフレ脱却の起爆剤にできるか
〔PHOTO〕gettyimages

「爆買い」がピークアウト

日本にやって来る外国人観光客による「爆買い」のピークアウトが鮮明になった。日本百貨店協会が8月19日にまとめた7月の外国人観光客の売上高・来店動向によると、集計対象の84店舗で免税手続きをした商品の売り上げは146億3,000万円と、前年同月比で21%減少した。前年同月比割れは4ヵ月連続となったのだ。

ではこれで、外国人消費が「終わった」のか、というと決してそうではない。実は免税手続きをした購買客数は27万9000人で、前年同月比で13.7%も増えているのだ。しかもこの27万9000人という数は過去最多。これまでの最高だった4月の26万人上回った。

購買客数は大きく増えているのに、なぜ売上高が落ちているのか。それは外国人観光客の購買動向が変わったためだ。

「爆買い」といえば、銀座のデパートで、中国人観光客などが高級輸入ブランド品を大量に買い込む姿が目立った。まさに「買い漁る」という言葉がぴったりのように、両手いっぱい高級ブティックの袋を下げて歩く姿が見られた。ところが、そうした商品の売り上げが大きく落ち込んでいるのだ。

百貨店協会の7月の統計で言えば、「ハイエンドブランド」は外国人観光客に人気のあった商品としては4位である。かつて1位の常連だったのと比べると様変わりなのだ。こうした高級ブランド品を含む「一般物品」の免税売上高は33.4%も減少した。

一方で、7月に最も人気のあった商品は「化粧品」。次いで「食品」、「婦人服飾雑貨」となっている。ちなみに、化粧品や食料品といった「消耗品の免税売り上げは33.3%も増えている。つまり、外国人観光客の購買志向が高級ブランド品から、化粧品や食品などに大きく移ったことを示している。

こうした購買動向の変化が端的に現れているのが免税手続きをした顧客一人当たりの売上高、つまり購買単価である。購買単価がピークだったのは、2014年の12月の8万9,000円。これがジワジワと低下し、2015年6月から今年2月までは7万円台で推移していた。今年3月と4月は6万8,000円だったが、5月以降急落。7月は遂に5万2,000円にまで低下した。

もちろん、これは高額商品を売りたい百貨店にとっては大打撃である。高級時計やバック、宝飾品といった高級品は当然利益率も高い。そこが落ち込めば、利益を大きく圧縮することになる。一方で、食料品などは利幅も薄く儲からない。

だが、これは日本経済にとって悪い傾向なのだろうか。

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