メディア・マスコミ
拝啓 朝日新聞さま。ジャーナリズムを捨てるのですか? 
元朝日新聞記者の深い懸念

「この原稿、リスクない?」

朝日新聞社が迷走している。

現場は萎縮し、やる気のない記者が増えているという。

いずれも2年前に起こった2つのトラブルが直接の原因だ。ジャーナリスト池上彰氏のコラム掲載を拒否した従軍慰安婦報道問題や、その存在をスクープしたものの表現手法が適切ではないとの批判を浴びた「吉田調書問題」に懲りて、ジャーナリズムを捨てようとしているようにも見える。

その最たる例が、記者教育の変貌だ。

端的に言うならば、「過剰な問題意識を持たない記者の育成」が行われているという。社内研修などでそうした指導が徹底されているそうだ。記者が問題意識を持って取材を行うと、政権などの権力や広告スポンサーの企業とトラブルを起こす、と上層部が判断しているからだろう。

また、「部長やデスクの中には原稿を受け取ると、合言葉のように『この原稿、リスクない?』と尋ねてくる人も増えた。少しでもリスクがある原稿と思われれば、編集局内で多くの関係者がその原稿を輪読し、取材対象と摩擦を起こすリスクのある表現をどんどんカットしていき、結局は面白くない原稿にしてしまう」といった指摘も朝日関係者から出ている。

こうした判断の延長線から、近いうちに記者職採用も止める計画だという。記者職として採用すると、広告や営業などの他の仕事を下に見てしまいがちになるため、総合職の「社員」として採用し、その後、配属先に振り分けていくという。会社の方針に忠実に従うサラリーマンを養成するのだろう。

こうした採用手法は出版社やテレビなどの一部メディアでは行われている。その効用は本人の適性などによって配属先を決められるといったことであろう。しかし、新聞記者は「覚悟」のいる商売であり、こうした採用手法で果たして「覚悟」は醸成されるのであろうか。

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