自民党幹事長・二階俊博は「21世紀の金丸信」か
安倍政権を揺さぶる力を持つ男
〔PHOTO〕gettyimages

「リビアモーターカー」

自民党幹事長・二階俊博と話しながら、元自民党副総裁・金丸信を思い出した。私は田中、竹下派を担当していた当時、金丸に食い込んでいた記者3人組の1人だった。

金丸は1992年8月、旧東京佐川急便(佐川急便)から5億円の献金を受けていたことが朝日新聞のスクープで発覚し、副総裁を辞任した。金丸はその後、政治資金規正法違反で東京地検特捜部に略式起訴され、決着したかに見えた。ところが、その罪が20万円の罰金だったことから批判が高まり、同10月に衆院議員を辞職。

さらに、金丸は翌93年3月に不正蓄財が明るみに出て脱税の容疑で逮捕・起訴され、裁判中の96年3月に死去した。

末路があまりに哀れだったため、元首相・田中角栄のように再評価されることもなく、時が過ぎている。とはいえ、田中が最も警戒していたのは金丸であり、金丸は80年代半ばから失脚するまでの間、中曽根、竹下、宮沢政権下で政界の実力者として君臨した。

当時の政治記事は金丸が内々に発信する情報で成り立っていたと言っても過言ではない。二階は今夏も山梨県南アルプス市の金丸の墓を参り、幹事長就任を報告した。

金丸は元首相・竹下登から「アバウト」とからかわれていた。タイムリミットを「タイムメリット」、リニアモーターカーを「リビアモーターカー」、パラボラアンテナを「バラバラアンテナ」などと話していたからだ。

政策に秀でていたわけでもない。東京農業大学農学部出身の金丸は、一流大学を出て政策に精通している今どきの議員とはまるで違った。

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