「公務員制度改革3年先送り」では
日本は破綻する

労組と人事院がぐるになって改革を阻止

 公務員制度改革をめぐる法案審議が衆院で続いている。

 鳩山内閣が提出した政府案と自民党・みんなの党が提出した議員立法による対案の2本(正確に言えば、議員立法案は関連で幹部国家公務員法案も提出しているので3本)が議論されているのは、4月9日付けコラム(公務員改革を骨抜きにして増税に走る鳩山政権)で紹介したとおりだ。

 両案のもっとも大きな違いは新設する内閣人事局に人事院や総務省、財務省などに散らばっている人事関連機能を集約するかどうかである。政府案では集約しないが、対案は集約するよう提案している。

 人事院は給与勧告や級別定数、総務省は機構・定員、財務省は給与関連予算の機能を握っている。

 民主党は政権公約(マニフェスト)で国家公務員総人件費の2割削減をうたっているので、これを実行しようとすれば給与と定員の双方を削減しなければならないことは自明である(人件費は給与×定員)。

 ところが給与と定員を握る各省部局の機能を内閣人事局に移さないとなると、政権は効果的に人件費を削減するのが難しくなる。

 給与削減には給与法の改正が必要になる。ところが、鳩山政権はこれについても「給与の抜本見直しには公務員に対する労働基本権の賦与が欠かせない。公務員は労働基本権が制限されており、人事院勧告がその代償措置になっているからだ」という立場である。

 では、労働基本権の見直しをどうするのかといえば、鳩山政権は「3年以内に見直す」という姿勢をとっている。逆に言えば「3年間は給与体系も現行のまま」という事態になりかねない。はたして、それでいいのか。

 私は22日、公務員制度改革を議論している衆院内閣委員会に参考人として呼ばれ、次のような趣旨の話をした。

「公務員制度改革は財政再建の観点からも重要である。なぜなら、官僚が自分の身を切らずに、国民負担による増税を議論しようとしても、多くの人々は虚心坦懐に耳を傾けないからだ。まず公務員制度改革をしっかり実行して、天下り問題にけじめをつけてからでないと、増税による財政再建はできない」

「そういうと、『ムダを省くだけですぐに再建できるような生やさしい赤字ではない』という反論があるが、これは改革で赤字をどれだけ削減できるかという数字の問題ではない。政治に対する信頼度の問題だ」

 私自身は財政再建に必ずしも増税が不可欠であるとは考えていない。だが、増税メニューを議論のテーブルに乗せようにも、抜本的な公務員制度改革抜きでは、人々が素直に話を聞かないと確信している。