週刊現代
何度でも行きたい「立ち食いそば」の名店ベスト10
安定の味わいから本格派まで

『噂の!東京マガジン』でおなじみの山口良一さんと『立ち食いそば図鑑 ディープ東京編』の著者、本橋隆司さんが全国の「立ち食いソバ」店を勝手にランキング!

僕らがやめられないワケ

本橋隆司(以下本橋) 江戸御三家などの本格的なおそばも確かに美味しい。でも僕個人としては、パパッと食いたいんです(笑)。だから立ち食いそばに惹かれるのかもしれません。

山口良一(以下山口) 仕事で忙しい人は食事にかける時間が短い。だから立ち食いそばはサラリーマンの方々に愛されているのかも。

本橋 そうですね。ただ「昔ながら」の立ってしか食べられないそば屋さんは減ってきましたね。

山口 チェーン店の立ち食いそば屋は、椅子席を設けるようになってきましたね。それもいいけど、僕はやっぱり立ち食いにこだわります。高田馬場にある「幸寿司」は、少なくなってきている座ることのできないお店です。ランチはおそば屋さんで、夜はお寿司屋さんをやっています。

本橋 中野駅北口を出たところにある「田舎そばかさい」も立ち食いオンリー。外からも見える完全オープンな店です。

山口 昔から何十年と続いているようなお店は、狭い敷地でやっているから立ち食いのみですよね。そういう古くからある味わい深い店がなくなっていくのは寂しい。後継者問題や建物の老朽化など、いろいろあると思いますが老舗には頑張って欲しいですね。

本橋 池袋にある「君塚」は30年以上の歴史がある有名店ですね。24時間営業で、店の表にトッピングなどの豊富なメニューがズラリと貼ってあります。社長さんが新メニュー開発にかなり熱心みたいですね。

本格派の都度ゆでとコロッケ

山口 いろんなメニューやトッピングを気軽に選べるのも立ち食いそばの良さだと思います。

〔photo〕iStock

本橋 トッピングの独自性でいえば、コロッケが格段に美味い店もあります。中延にある「大和屋」。もともと惣菜屋だったので、コロッケを一から作っています。コロッケって手間がかかるので、たいていのお店は冷凍コロッケを買って店で揚げるか、既に揚がっているものを他店から買っていたりするんですよね。

「峠そば」(虎ノ門)も一から作っていて、ここのコロッケは、じゃがいもってこんなにウマいんだって気付かされますよ。今の季節ならナス天やピーマン天も美味しいでしょうね。そこへ玉子をのっければ、栄養バランスもいいと思います。

山口 トッピングを棚から選ぶのも、立ち食いそばの醍醐味。僕はちくわ天が好き。ちくわ天は普通のそば屋さんにはないことが多いですが立ち食いそば屋に大体ありますよね。ところで、立ち食いそば屋さんの多いエリアってあるんでしょうか。

本橋 都内だと、人形町、秋葉原、浅草橋、上野にかけてはひしめいていますね。日本橋も多いですが、特に東日本橋の繊維街のほうに多いんですよ。

山口 下町というか、商人が多い街柄でしょうね。働いている間にパパッと食べにくる。先日、僕も仕事の合間に人形町の「福そば」へ寄りました。もりそばを頼んだのですが、コシのある麺で美味しい。

本橋 「福そば」は、かき揚げが何種類もあるんですが麺がいい。生麺の「都度ゆで」なので、温かいものでもコシが強い。大通りから一本入った一見分かりづらい場所にありますが、人気店です。

山口 立ち食いそばといえば、駅のホームや改札を出たすぐのところにあるイメージですが、駅から離れた場所にぽつんとあるお店もありますよね。

本橋 神宮外苑の交差点には、あの辺りでは珍しい立ち食いそば屋「信越そば」があります。

それから僕のイチオシは、相模大塚(神奈川県大和市)の、246号線沿いにある「あさひ」。ここの社長さんは、もともと土木業をやっていて、「自分もよくトラックに乗っているけれど、ロードサイドだとラーメン屋が多くて体によくない。体にいいものを食べてもらいたい」、ということでお店を始めたそうです。スタッフ全員が女性で、明るくキビキビした良い雰囲気の店です。