日本国憲法は「私たち(米国)が書いた」!? 米副大統領の仰天発言に安倍自民党がダンマリを決め込むワケ
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憲法は誰が書いたのか

なぜなのか、その理由が分からない。ジョセフ・バイデン米副大統領が8月15日、ペンシルベニア州スクラントンで開かれた民主党大統領候補のヒラリー・クリントン氏の集会に初めて参加し、そこで行った演説の中にあった重大発言に対する反応が日本国内で殆どないことである。

共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏はかつてインタビューの中で「日本が在日米軍駐留経費を全額負担しないと言うのであれば、日本は自力で国を守るべきだ。そのために核兵器を保有するというのであれば、それはそれで結構だ」といった趣旨のこと語った。

もちろん、それを念頭に置いてのことだが、バイデン副大統領は次のように述べた。

「トランプ氏は、私たちが書いた日本の憲法で(日本は)核兵器保有国になれないことを理解していない」

正確を期するために原文に当たってみる。「Does he not understand we wrote Japan’s constitution to say they couldn’t be a nuclear power?」――確かに、「私たち(米国)が書いた」と述べている。

たとえ政治集会での発言だとしても、現職の米国大統領が「私たちが日本国憲法を書いた」と表現するのは極めて異例のことだ。困惑する外務省の幹部も「せめてwroteではなくdrafted(下書きした)と言ってくれていれば」と嘆息する。

本来ならば日本国憲法の制定を巡る大論議に再び火を付けかねない重大発言である。事実、米紙ウォールストリート・ジャーナルのピーター・ランダーズ東京特派員は17日付の同紙で、(同発言が)日本国内に戦争放棄を謳った現行憲法改正論を惹起しつつあると報じている。