オリンピック
「金メダルじゃなきゃ、ダメなんです」無敵の4連覇を達成した、伊調馨の「壁を乗り越える名言」
©JMPA

「最後はお母さんが助けてくれたと思います」

日本中が固唾をのんで見つめたリオ五輪女子レスリング58kg級決勝、伊調馨の逆転勝利を支えたのは2014年11月に亡くなった母・トシさんの言葉だった。

4連覇の偉業を成し遂げた彼女の名言集『一日一日、強くなる 伊調馨の「壁を乗り越える」言葉』から厳選した「支えてくれる家族の言葉」「自らを奮い立たせる決意の言葉」で、勝利を呼び込む思考法を学ぶ!

亡き母の遺言

©JMPA

①どんな状況でも、試合に出ろ! 出るからには勝て!

2014年11月28日に最愛の母・トシが亡くなってからわずか25日、悲しみを乗り越えて2014年天皇杯全日本選手権に出場した伊調。優勝インタビューでは涙を堪え、「お母さんのせいで、勝つことにこだわり過ぎました。でも、ありがとう」と母に感謝した。

そして、「試合が近づいてもモチベーションが上がらず、毎日、呆然と過ごしていましたが、母なら何て言うか考えました。いつものように母が鋭い視線で見守ってくれている気持ちでいました」と語った。会場には、母の遺影を持つ父の姿があった。

②毎朝、母の遺影にお水をあげ、隣に置いた銀メダルを見て、練習に出かけます。

2016年1月、ヤリギン国際大会で敗れ13年ぶりの銀メダルとなっても、伊調馨は「メダルの色は関係ない」と思っていた。だが、姉・千春から「銀メダルは負けた人がもらうメダルなんだよ」と言われた。これまで獲得したメダル、賞状、カップなどはすべて青森県八戸市の実家に送り、自分の部屋にはひとつも飾っていなかったが、この銀メダルだけは「悔しさ」を忘れないために、母の遺影の隣に置いている。

©JMPA

③研究されてもいい。自分がそれ以上に成長できるのなら。

日本代表クラスのトップ選手で、伊調ほど国際大会に出場する選手はいない。自分の技、スタイルを研究されることを恐れ、あるいは普段とは違った環境を嫌い、世界選手権やアジア競技大会、ワールドカップなど大きな大会に限定して出場する選手がほとんどだ。2015年世界選手権で、伊調は次のようにも語っている。「相手が自分を研究していたことがわかったのがうれしかった。自分のレスリングの幅を広げられる発見に繋がるかな」

④たとえコーチの話でも、自分にとって必要かどうか判断して、必要でなければ聞き流したりもします。

2011年、取材で「指導者と選手の関係」に話が及んだときの発言。

「私はたぶん、コーチ陣からしたら扱いやすい選手ではないと思います。何でも自分で決めてしまうので。だから、『こいつは素直じゃないな』と思われるときもあれば、素直に聞くこともあります。自分を納得させてくれる何かがあるかどうか。例えば、この技は自分にとって必要でないと判断したとき、そのコーチが何と言うか。『必要じゃないかもれしれないけど、知っておけば、かけられたときに対処できるよ』と言ってくれれば、納得して聞きます」