新橋「大地主女性」が突然の失踪〜周辺開発で地価高騰の最中、ちらつく"地面師"の影
現在進行形の怪事件!
〔photo〕iStock

今年3月、ひとりの資産家女性が、突然失踪した。女性が持っていた土地では、複数の業者が絡む不審な取り引きが行われている。その背後には、裏社会に生息する人間たちの影もちらつく—

土地の資産は約15億円

東京・虎ノ門から新橋に至る約1.4kmの道路(環状2号線の一部)は「マッカーサー道路」として知られている。'46年に計画が決定された後、約70年の長い時間をかけて用地を買収し、'14年にようやく開通した。

同じ時期に、森ビルが超高層ビル「虎ノ門ヒルズ」を開発し、周辺地域はにぎわいを見せている。

だがこの一連の都市開発が引き金となって、不可解な失踪事件が起きていた。マッカーサー道路が貫く「サラリーマンの街」新橋。この町で今年、ひとりの初老の女性が忽然と姿を消したのだ。

失踪したのはTさん、60歳。彼女は新橋に土地を持つ地主であり、資産家だった。

新橋駅から歩いて約20分。マッカーサー道路のすぐ西側にあたる新橋4丁目から5丁目にかけては、古くからここに住む人たちの家や、築年数の経ったビルが建ち並んでいる。

その一角に2階建ての一軒家がある。その土地面積は約182m2で、地価は公示価格換算で約8億4800万円。そこから5分ほど歩いたところにある4階建てのビルが建つ土地は、面積が約131m2で、地価は約6億900万円。

これらの土地を所有しているのがTさんだ。彼女の自宅近くに住み、古くから一家を知る、知人の60代男性Aさんが話す。

「Tさんはもともとこの土地の生まれ。彼女のおじいさんが不動産関係の仕事をしていたらしく、この周辺に土地を持っていたのです。お父さんは学校の先生ですが、早くに亡くなって、Tさんはずっとお母さんと二人暮らしでした」