誰でも分かる「生理学」~人間の生命現象はこういう仕組みになっている
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人の生命現象は、どのようにいとなまれているのか。

人間の生命現象である、脳・神経系の働き、骨格系と筋肉、呼吸器、循環器、消化、排泄、生殖の仕組み、さらには、それらを行っている膜の働き、物質輸送、シナプス伝送、電位の発生、興奮、制御など、人体のあらゆる生理現象の仕組みと働きを扱う科学分野を「生理学」と言います。

生理学は基礎医学の中心である同時に、私たち自身の驚嘆するほど精巧な「ミクロコスモス」の存在を教えてくれます。

まえがき

生理学はからだの正常な機能に関する学問ですが、研究の方法や制約などから、人をはじめとする哺乳動物のみならず種々の生物の機能をも調べることにより発展してきました。

この生理学の知識は、人を対象とする医師、歯科医師といったメディカルだけでなく、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、柔道整復師、臨床検査技師、放射線技師等々の多岐にわたるコメディカルと呼ばれる領域の医療従事者にとっても必須のもので、これらメディカル/コメディカルを目指す学生が必ず学ばなければならないものとなっています。

また、人以外の動物を対象とする獣医師やそのコメディカルの従事者にとっても同様です。ですから、これらの医療従事者を目指す学生を対象とした生理学教科書は数多く出版されています。おそらく、数十冊あるいは百冊に上るかもしれません。

でも、生理学という学問の知識が、医療のためだけに存在価値があると考えるのは間違いです。

私は、かつて、医学部や看護学部の学生に生理学を教えましたが、強い関心は生理学を研究することにありました。メディカル/コメディカルには直接関係ない領域でも、私と同じように、研究して新しい知識を得ることに情熱をもつ人、このような人たちはたくさんいます。

そして、さらにたくさんの、医療にも研究にも関係のない一般の人たちが、本を読むことによって、自分や動物のからだの機能に関する知識を得ることに興味をもっているのではないでしょうか。