中国人民大学「ゾンビ企業レポート」が示す習近平政権の致命的な過ち
だから中国経済は失速する!
〔PHOTO〕gettyimages

国有企業会長が首吊り自殺

最近、日本であまり話題にならなくなったが、中国経済の失速が止まらない。

習近平政権が今年公約した処方箋が、「供給側構造改革」だった。これは、計5つの改革(3つの除去と1つの下降と1つの補填)によってV字回復を目指そうというものだったが、中でも「改革の1丁目1番地」に掲げたのが、「生産過剰の除去」だった。

生産過剰問題が最も深刻なのは鉄鋼業で、2015年末時点での負債規模は、当局が公表しただけで4兆3,700億元(1元≓15.2円)。負債率は66.7%に達している。

国有の大型鉄鋼会社が集中しているのが、遼寧省・吉林省・黒竜江省のいわゆる東北三省である。その象徴とも言える東北特鋼集団(特鋼)が、いよいよ倒産へ向かってカウントダウンとなってきた。自動車用鋼材などで、中国最大規模の国有企業である。

いまから4ヵ月以上前の3月24日木曜日の午後1時20分、大連市公安局は、通報を受けて、市内屈指の高級マンションに駆けつけた。部屋で首を吊って息絶えていたのは、特鋼の楊華・董事長(会長)兼党委書記(享年53)だった。

1962年遼寧省生まれの楊会長は、1990年に北京大学哲学科で修士号を取得後、東北地方きっての有力国有企業の鞍山鋼鉄集団に就職。グループ子会社の社長や会長を歴任した後、昨年4月に特鋼の会長に就任したばかりだった。この鉄鋼業界のインテリ経営者は、特鋼の将来を悲観して、自ら命を絶ったのだった。

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