週刊現代 企業・経営
ギネス認定・世界最高米を作った「発明家社長」の着眼のヒミツ
東洋ライス・雜賀慶二社長に聞く

80歳を超えてなお、企業を成長させ続けている人物だ。東洋ライス社長・雜賀慶二氏(82歳)。戦後、精米機の販売や「焼け跡から出てきた」精米機の修理で事業を開始。その後、米に混入した石を取り除く機械を独力で開発、これを機に精米器の製造に乗り出した。精米の方法にも工夫を凝らし、'90年代初頭には水でとがずに炊ける「BG無洗米」を世に出し、これが大ヒット。最近は、玄米の栄養豊富な層だけを残した「金芽米」を世に出すなど、アイデアは尽きることがない。その源泉を探った。

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贅沢が「怖い」理由

漢字はよくできているもので、「糠(ぬか)」という字は「米」に健康の「康」と書きます。一方、米に白だと「粕(かす)」になってしまう。昔の人は、玄米と白米、どっちが健康にいいか食べ比べ「糠こそが大切」と気づいたのかも、と想像が膨らみます。

しかしこの理屈だと、糠を取り除く精米機は、「米から栄養豊富な部分を除く機械」になってしまう。そこでつくったのが「金芽米」。精米の仕方を工夫し、精米時に糠と共に取り去られていた「亜糊粉層」という、栄養価が高く、うまみの強い部分を残したお米です。

白米同様の色、食べやすさなのに、栄養は玄米に近い。こんな商品があれば! と思ってから、精米する方法の着想を得るまで40年もかかりました(笑)。

拡散思考

精米機を改良し、金芽米や無洗米の商品化に成功したため、私は「発明家」と言われることがあります。鍵となる技術は、いつも「ふと思いつく」もの。考え方にはコツがあるんです。

思考には「集中思考」と「拡散思考」があります。集中思考は学校で教わるような問題を解く時に必要なもので、一般的に「考える」と言うとこちらを指します。

一方「拡散思考」は、テレビを見ていても風呂に入っていても常に頭のどこかでヒントを探している状態を、何年も何十年も続けることを指します。ヒントは自然界や他の機械など様々なところにあって、それが解決したい問題と、ふと結びつくことがあるんです。