巨泉さんだけじゃない!「てんかんの薬」に殺された患者遺族の怒り
医者の傲慢が招いた悲劇
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基準の16倍を投与していた

「すでに東京女子医大との話し合いは決裂しています。病院側は法的には責任はない、過失はなかったという立場を貫いている状況です。このままでは、裁判にならざるを得ない」

こう語るのは、遺族の長浜明雄さん(41歳)の代理人を務める安東宏三弁護士だ。

事の発端はこうだ。明雄さんの妻・裕美さん(当時43歳)が亡くなったのは2014年のこと。東京女子医大病院で検査を受けたところ脳腫瘍が発見され、抗てんかん薬「デパケンR」が投与されていた。

その後、けいれん発作を起こしたため、病院側は抗てんかん薬の「ラミクタール」を追加処方した。だが、この薬の副作用により、皮膚が剥がれる「中毒性表皮壊死症」を発症し、亡くなったことが先頃判明。

「事前に医師から副作用の危険性は伝えられなかった」という遺族の訴えに対し、東京女子医大側は「きちんと説明した」と回答した。

安東弁護士が、遺族の気持ちを代弁する。

「用法や用量を守らずに、規定の16倍ものラミクタールを処方されたことについて『なぜそんな死のリスクが高まる処方をしたのか』『なぜ副作用があることを事前に説明してくれなかったのか』を知りたいという気持ちでご主人は今回動いたのです。

『もし医師から説明があれば、そんな薬の処方をお願いすることはなかった』とも言っています。こちらとしては明らかに病院側の過失だと考えています」

ラミクタールの添付文書にデパケンRとの併用では「最初の2週間は1日おきに25mgまで」と記載されている。また用量を超えた投与では「皮膚障害の発現率が高い」ことも明記されている。

にもかかわらず、遺族や調査を行った第三者機関によると、同院は当初から適正使用量を大幅に超える1日200mgを連日にわたり投与していたという。