知っておきたい「万能薬ステロイド」の重大リスク
副作用のオンパレード
〔PHOTO〕gettyimages

安倍総理も使っている

内科医のジェフリー・トッド博士らが'02年、イギリスで行ったステロイドについての調査の結果をご存知だろうか。

ぜんそくが持病で、「吸入ステロイド」による治療を行っていた人々のうち33人もの患者が、低血糖や意識障害、けいれんといった症状を引き起こす「副腎不全」という重篤な症状を起こしていたのだ。そしてそのうちの1人は死亡していた。

この調査は、ステロイドという薬が、恐ろしい副作用をもたらすことを示している。

日本でも'05年に、ステロイドによる死亡事故が起きている。急性骨髄性白血病で入院した当時20歳の女性が臍帯血を移植する手術を受けたが、手術後、移植された細胞のリンパ球が体を攻撃する反応が現れた。

医師が症状を抑えるためにステロイドを投与したところ、女性は筋萎縮の症状を起こし、寝たきりの状態になった。女性は手術から1年半ほどして、死亡した。

こうした事例から分かるのは、ステロイドは「非常に効果が高いが、副作用もまた強く、恐ろしい」ということだろう。実際のところ、ステロイドにはどのようなリスクがあるのだろうか。

ステロイドは、副腎皮質ホルモンを含む薬で、人間の免疫を抑制する効果を持つ。主に腎臓病やネフローゼといった病気に使われるが、広い効能と強い効力のため、ほかにも潰瘍性大腸炎、肝炎、低血圧症など様々な目的で頻繁に利用されている。安倍晋三総理も、持病の潰瘍性大腸炎の薬としてステロイドを使い、症状を抑えていると言われている。

イシハラクリニック院長の石原結實氏が言う。

「ぜんそくの発作やリウマチといった病気は、アレルギー現象や、免疫が自分の体を攻撃する自己免疫疾患ですが、ステロイドはこうした病気には非常によく効くことで知られています。

たとえばステロイドの経口薬は1粒が5㎎のものが多いですが、リウマチの人に1~2粒使うと、ものすごくよくなります。その効き方は、まるで神様の薬のようです。