ハマの新魔神・山﨑康晃。Aクラス入りのカギを握る男の「原点」を探る
二宮清純レポート
昨季は1年目ながら37セーブを記録。高木(巨人)や若松(中日)を抑え、新人王に輝いた〔PHOTO〕gettyimages

マウンドで度胸あふれるピッチングを見せたと思えば、試合前後のサインや写真撮影は決して断らず、多くのファンから慕われる。23歳とは思えぬ強靭な精神力は、いかにして生み出されたのか。

勝負は初球で決まる

四半世紀ぶりのリーグ優勝を目指す広島が、飛ばしに飛ばしている。

後半戦に入ってからも勢いは衰えず、7月21日現在、貯金20。2位・巨人に9ゲーム差を付けている。

この広島の独走により、残り5球団は団子状態。2位・巨人から最下位・阪神までのゲーム差は7・5。Aクラス入りのチャンスは、全チームに残されている。クライマックスシリーズに出場するのとしないのとでは、天と地ほどの差がある。

'07年にこの制度が導入されて以降、ずっと蚊帳の外に置かれている球団が両リーグでひとつだけある。それが横浜DeNAだ。'05年の3位を最後に、低迷が続いている。

混戦を抜け出すには、勝てるゲームを確実に勝ち切らなければならない。そのためには前半戦にも増してクローザーの役割が重要になってくる。

幸い、DeNAには絶対的な切り札がいる。プロ入り2年目、23歳の山崎康晃だ。

甘いマスクだが、滅法、腕が立つ。そのマウンド裁きは、さながら〝平成の眠狂四郎〟といった趣に染められている。

通算193セーブの江夏豊は抑えの心得として「初球の入り方」をあげていた。ウイニングショットよりも、初球が大事だと。若きクローザーは、どう考えているのか。