「小泉純一郎にあって、加藤紘一になかったもの」山崎拓が明かす「真実」
総理になれた男と、なれなかった男の違い
〔PHOTO〕gettyimages


取材・構成:横田由美子(ジャーナリスト)

21世紀目前、永田町は大物議員のクーデターに激震した。「加藤の乱」である。乱はホープと呼ばれた3人の男の運命を大きく変えた。なぜ加藤は敗れ、小泉は飛躍したのか。山崎拓が「真実」を明かす。

国会前、二度のUターン

〈「私と山崎さんは、これから本会議場に行って不信任案に賛成投票をしてくる。同志の皆さんはここに残ってください」

騒然とする場内。すると、加藤派の谷垣禎一が血相を変えて加藤に駆け寄る。

「あなたは大将なんだから、一人で突撃なんて駄目ですよ」

「ついてこなくていい。俺と拓さんだけで行く」

と、加藤は谷垣を突き放した。

実は加藤の「俺と拓さん」というのは一方的な宣言で、事前に私の了解を取ったわけではなかった。しかし、あくまで友情を全うするため、私は加藤についていった〉

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——山崎さんの著書『YKK秘録』(講談社・7月19日発売)には、森政権打倒を目指した自民党内のクーデター「加藤の乱」('00年11月)の様子が、まさに当事者の目線で活写されています。

山崎(以下同)あの日、(加藤派の会合の後)二人きりでハイヤーに乗って国会に向かう際、途中まで加藤は、「俺とアンタだけは(内閣不信任決議に)出席しよう。そして党を割ろう」と、意気軒昂に話していました。しかし、加藤は明らかに迷っていた。そして私も、政治家人生の破滅を予感していました。

党を除名になってその後はどうする、と考えているうちに車が議事堂の門に近づいた。その瞬間、加藤が「やっぱり帰ろう」と言い出したんです。