【医師の匿名座談会】患者にはすすめても、自分の家族には絶対やらない「手術と薬」
本音トーク全開!
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糖尿病のベイスンも危ない

外科医A いまだに風邪の患者にクラビットなど抗生物質を出す医者がたくさんいるようですね。このあいだの伊勢志摩サミットでも、日本の医療現場で抗生物質が無駄に使われていることが問題になったというのに、ひどい話です。

開業医B 私も自分の家族や知り合いには、風邪で抗生物質は出しませんよ。風邪の原因はウイルスで、黴菌を殺すための抗生物質を飲んでも何の効果もないことは明らかです。

でも開業医の立場から言わせてもらうと、薬を出さないと納得しない患者が多いのです。「長い時間待たされたのに、薬もくれないなんて」と怒り出す患者も多いですからね。

内科医C 私はそういうときには、診察室でのトラブルは避けたいのでメチコバールを出しておきますよ。ビタミンB12を主成分とする薬で、関節痛、頭痛、貧血、なんにでも効くように言われていて、副作用も少ない。でも副作用が少ないということは、主作用も少ない、つまり飲んでもあまり意味がない薬ということです。

ただ、薬というのは不思議なもので、患者が効くと思っていたら本当に効く「プラシーボ効果」がバカにできない。パン屑をまるめて降圧剤だと信じ込ませて患者に飲ませたら、本当に血圧が下がったという有名な実験があるくらいです。

開業医B そうそう。だから医者の家族で薬を出されないよりも、何も知らずに意味のない薬をありがたがっている患者さんのほうが幸せかもしれませんよ。

外科医A 都内の民間大病院の心臓外科医。典型的なエリート
開業医B 首都圏で内科・耳鼻科のクリニックを開業する
内科医C 大学病院の内科医。製薬業界の内情にも詳しい