人民解放軍「創設89周年記念日」に明かされた習近平の野望と、南シナ海「ロシア参戦」
写真は昨年9月3日の抗日戦争勝利70周年軍事パレード〔PHOTO〕gettyimages

「小から大へ、弱から強へ、そして勝利から勝利へ」

8月1日、中国人民解放軍は、89周年を迎えた。自らを軍人と考え、「戦争ができて、戦争に勝つ軍隊」を目指している習近平中央軍事委員会主席は、この軍の記念日を前に、様々なパフォーマンスを行った。

まずは7月26日午後、中南海に党中央政治局(トップ25)を招集し、「国防と軍隊改革の進行を深化させる」と題した集団学習会を開いた。集団学習会は習近平政権になってからすでに34回目で、その時々に習近平主席が強調したいテーマで、不定期に開いている。トップ25は、外遊中を除いては、参加を義務づけられている。

この集団学習会の特徴は、毎回講師を招き、講師が習近平主席の意向に沿った専門家としての意見を述べる。次にそれについて習近平主席が重要講話を述べるというものだ。

専門家の意見は非公開で、習近平主席の講話のみが、国営メディアを使って大々的に報道される。すると翌日から、8800万人の中国共産党員が、その重要講話を学習させられるのである。

今回の講師は、「国防と軍隊改革の深化指導小グループ」の蔡紅碩副グループ長(少将)だった。この小グループは、2014年の全国人民代表大会(国会)が閉幕した翌日の3月15日に突然、「第1回の全体会議が開かれた」と発表された。その時のグループ長は習近平主席で、常務副グループ長が許其亮中央軍事委副主席、副グループ長が范長竜中央軍事委副主席とされた。

それから2年4ヵ月余りを経た7月26日、習近平主席は、次のように述べた。

〈 わが軍は長年、党の指導のもとで、小から大へ、弱から強へ、そして勝利から勝利へと進んできて、改革と刷新が止まることはなかった。現在、国防と軍隊建設は、新たな歴史の起点に立って全局を見渡し、時勢を見極め、刻々と複雑に変化する国際情勢に応対しながら、中国の特色ある社会主義を堅持し発展させている。

そして『二つの百年』(2021年の中国共産党創建100周年と2049年の建国100周年)の目標を実現し、党の新体制下で強軍の目標と軍事戦略方針を貫徹し、軍隊としての使命と任務をも全うし、さらに大きな知恵と勇気をもって国防と軍隊改革を深化させるのだ。

党中央は、第18回中国共産党大会(2012年11月に開催し、習近平総書記を選出)以来、国防と軍隊改革を、高度に重視してきた。そして中央軍事委員会の機構を、従来の4つの総部から1庁、6部、3委員会、5直属機関という15部門に変えた。7大軍区も、東部、南部、西部、北部、中部という5大戦区に変えた。さらに海軍、空軍、ロケット軍、武警部隊も編成を整理した。こうした大変革を通じて、人民解放軍は過去に克服できなかった多くの問題を解決したのだ。

今後は2020年までに、連合作戦指揮体制改革や、軍民融合の発展を進めていく。そして情報化戦争に勝ち、中国の特色ある現代軍事力体系を有効に履行し、中国の特色ある社会主義軍事制度を完全に整備していくのだ。そして『二つの百年』の目標と、中華民族の偉大なる復興という中国の夢を実現させるための強力なバックボーンとなるのだ 〉

習近平主席の向かって右隣に座った序列2位の李克強首相を始め、25人プラスに参加した幹部たちは、シーンとなって習近平主席の重要講話を必死にメモしていた。その模様を6分14秒にわたって映した中国中央テレビのカメラは、幹部たちのペンをアップで強調する演出までやっていた。

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