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アベノミクスは「アメ」を与えすぎた〜デフレ・マインド脱却に向けて、今こそ「ムチ」を使う時
内部留保資金366兆円の異常
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日銀決定会合への「失望」と「理屈」

7月29日に開かれた注目の日本銀行(黒田東彦総裁)の金融政策決定会合だったが、市場関係者が絶大な期待をしていた金融緩和は、一言でいえば、最低限のことはやったが「失望」に終わったと言っていいだろう。

確かに、黒田総裁が記者会見でETF(市場投信信託)の購入額を現行の3.3兆円から6兆円に増額すると表明したが、現行のマイナス金利0.1%を0.2%へ引き下げるなどの深堀りは見送り、保有残高が年間80兆円ペースで増えるように買い入れている国債の購入額を90兆円まで上げることも決めなかった。

この第一報を受けた為替・株式市場は直ちに反応、対ドル円レートは1円近く円高が進み103円台になり、日経平均株価は250円超下落した。

だが、日銀決定会合への「失望」ではあるが、一方で発表された声明文の最後の第5項目に「<前略>こうした状況を踏まえ、2%の『物価安定の目標』をできるだけ早期に実現する観点から、次回の金融政策決定会合において、『量的・質的金融緩和』・『マイナス金利付き量的・質的緩和』のもとでの経済・物価動向や政策効果について総括的な検証を行うこととし、議長はその準備を執行部に指示した」とあることを見落としてはならない。

白川方明元日銀総裁時代の執行部に席を置いた旧日銀マンを中心に2%のインフレ目標を弾力化すべきだとの批判がある中で、黒田総裁は「早期に実現する観点から」とした上で「次回会合で総括的検証を行う」としたことをポジティブに評価する向きが少なくない。

要は、安倍晋三首相が8月2日に閣議決定する総合経済対策(=財政出動)の中身をきちんと見た上で、それに連動する金融政策を次回会合で決めるという「理屈」が日銀には必要だということである。