企業・経営 週刊現代
ダメ社員を日本一に導いた「勝者の哲学」〜キリンビール「お荷物支店」はこうして奇跡の大逆転を遂げた
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受け身の組織からの脱却

―「'95年 高知の夜は漆黒だった」。まるで小説のように始まる本書は、元キリンビール代表取締役副社長の田村さんが当時「お荷物」的存在だった高知支店に支店長として赴任し、全国でもトップクラスの支店に育てあげた成功体験を元に書かれたビジネス書です。

'11年にキリンビールを退職した後、多くの場所で講演する機会がありました。すると、一生懸命に仕事をやっているのに数字が落ちてしまう、仕事にやりがいを求めても、それができない空気があるという声をよく聞きます。

そういう方々に高知で学んだことを話すと非常に反響があり、できることなら多くの方に伝えたいと思ったのが本書を記したきっかけです。

―高知支店は当時、全国のなかで最下位クラスの成績にもかかわらず、メンバーに焦りの色もなかったそうですが。

成績が悪い支店を本社など上の組織は特別に管理したがるものです。高知支店も同じような状況で、上層部からの指示ばかり増えていく。しかし所詮は遠く離れた場所の会議室で決められたことです。支店自体の成果は上がらず、それでも上からの指示だからと、こなすだけの体質になっていた。

失敗から何かを学ぼうとする意欲はなくなり、上の言いなりである支店長に対しても不信感を持つという悪循環に陥っていた。だから私はまず、彼らの自発的なやる気を取り戻すことに着手しました。