医療・健康・食 週刊現代
現役名医2人が実名で語り尽くす「飲んではいけない薬」
浜六郎(医薬ビジランスセンター理事長)×長尾和宏(長尾クリニック院長)
〔PHOTO〕gettyimages
浜六郎(はま・ろくろう)  医薬ビジランスセンター理事長。中立的視点の医薬品情報誌を発行。著書に『高血圧は薬で下げるな!』など
長尾和宏(ながお・かずひろ) 兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。著書に『病気の9割は歩くだけで治る!』など

薬が招く感染症

 コレステロールが高いことがあらゆる病気の原因のように言われていますが、それは間違っています。そのことを、私を含め十数人の研究者が6月に「BMJオープン」という医学雑誌に発表しました。

長尾 「BMJ」はイギリスの一流雑誌ですね。

 60歳以上の方を対象に長期間追跡した研究をしらみつぶしに調べた結果、LDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロールが高いほうが長生きするということが証明されました。

コレステロールが高いとすぐスタチン(クレストール、リピトールなど)を出す医者が多いですが、まったく意味がない。むしろ有害です。

長尾 私は動脈硬化研究の総本山である大阪大学の第二内科にいたので、浜先生とは意見が食い違うところもあります。LDLのものすごく高い人のなかには頸動脈が詰まりかけているケースが多々あるので、そういう患者にはスタチンは必要です。だから私は、スタチン全否定論者ではない。

ただ、軽度の高LDL血症の人でも病院に行くとすぐにスタチンを処方されるのはおかしな話です。特に女性は閉経後、女性ホルモンの減少に伴いコレステロール値が高くなる。これも治療対象としている日本の医療は間違っています。

 私も3~4年前までは一部の患者にはスタチンは有用だと考えていました。しかしスタチンはコレステロールだけではなく、体に必須の補酵素や糖タンパクを作るのを邪魔する免疫抑制剤なのです。免疫を抑制すると血管内の炎症反応が抑制されて、一時的には症状が軽くなります。しかし、長期的に見て、それがいいかどうかわからない。

黴菌やウィルスが体内に入ってきたときに、抵抗し、体内の異物を排除し、壊された組織を治すのが免疫反応・炎症反応です。それが阻害されるわけだから、感染症にかかりやすくなりますし、がんもできやすくなる。