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女が考える「男らしさ」はそうじゃない! モテたかったら、「弱み」を隠さず、「自分が変わる」ことを恐れるな
二村ヒトシ×川崎貴子×田中俊之【第3回】

二村ヒトシさんと川崎貴子さんによる人気連載シリーズが一冊の本になりました。題して『モテと非モテの境界線』。今回は書籍化を記念した特別編として、男性学の専門家・田中俊之さんをゲストにお迎えします。恋愛を切り口に、現代の男たちが抱える生きづらさについて、3賢人が冷静に、熱く語り合う――。(構成/崎谷実穂、撮影/村田克己)

第1回【恋愛も生き方も「技術」と考えないと危険です
第2回【日本の男はなぜ「生きづらい」のか?

自分の欲望に気づく機会がない若者

田中: 『モテと非モテの境界線』では二村さんが、AVをつくっていると一般男性の性的欲望は多様であり、みんながみんな若くてかわいくて痩せている女性がタイプというわけではないことがわかる、と書かれていました。AV監督という立場ならではのおもしろい発見だと思います。

二村: この件については、ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーとトークショウをさせてもらった折りに、彼もすごく深いことをおっしゃってたんですよ。「男が“自分”というものに気がつくのは、レンタルビデオ店のAVの棚の前だ」と。

田中: おおお……!(笑)

二村: 哲学ですよね(笑)。確かに、あの棚の前に立って自分が興奮できるビデオを吟味していると、自分の欲望がどこにあるのかがわかってくる。この経験は、一定世代以上の男性なら必ずあるはずです。でも、最近の若い子はそうやって「自分に気づく」機会がない。

川崎: インターネットが普及したからでしょうか?

二村: そうです。わざわざレンタルビデオ屋に行かず、エロサイトで流れてくる細切れの無料動画のサムネイルを見て「あ、この子かわいい」「この子おっぱい大きい」と、それだけで瞬間的に選ぶ。

さらに、インターネット上では、相当やばい変態行為にもすぐアクセスできてしまいます。なおかつ、それが一般の目にもさらされやすいから「こんなことをするなんて女性に失礼だ」という抑圧も受けやすい。そこで、男の側が被害者意識を持ってしまうんです。

川崎: ロリコンで何が悪いんだ、とか。

二村: そうやって、開き直ってしまう。昔の変態は、自分の趣味嗜好は心の内に秘めていて、関係ない人を傷つけないように、こっそり楽しむ紳士が多かったんじゃないでしょうか。自分の欲望は世間では認められないものだと自覚していたから、アングラなサークルをつくって活動していた。

でも今は、ツイッターでそういうことを発信したりして、知らない人から「気持ち悪い」と言われてしまったりする。それは被害者意識を得やすいですよね。