医療・健康・食 週刊現代
ガラパゴス化する日本の医療
〜海外では「常識として」やらない手術と薬を明かす

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惰性で薬を飲んだり、安易に手術を受けたり—誰にでもそんな経験はある。だが、医者を過信してはいけない。現代日本は、過剰な医療が命を縮める危険で溢れている。

日本の医療は謎だらけ

「経済政策ばかりが話題になっていたように報じられていますが、5月の伊勢志摩サミットで日本がやり玉に挙げられた重要な議題がありました。それが抗生物質の使用と耐性菌についてです。

抗生物質の使い過ぎで、耐性ができた細菌が増殖していることが世界的な問題になっています。いまだに風邪をひいた患者にまで抗生物質を処方するような日本の医療が批判されたのです」

こう語るのは、厚生労働省の関係者。

風邪は細菌よりもずっと小さなウイルスが原因で症状が起きる。科学的に抗生物質が効かないことは明らかになっているが、病院に行ったときの「お土産代わり」に薬を欲しがる患者も多い。

ニューヨーク医科大学教授のランディ・ゴールドバーグ氏が語る。

「日本とアメリカは保険制度の違いもあり、薬の処方のされ方、治療方法も異なります。なかには欧米ではまず行われないような治療法が、日本で行われている例もあります。安易に抗生物質を出すことはその典型です」

このような日本の医療のガラパゴス化は、様々な分野で見られる。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が語る。

「心筋梗塞の際に、カテーテルと呼ばれる管を心臓の冠動脈まで通して、風船やステントで血管を広げる『経皮的冠動脈形成術(PCI)』という治療法があります。

時に詰まっていない血管も念のために拡張する場合がありますが、米国心臓病学会は『血管狭窄の元凶ではないところにまでステントを入れて血流を確保する必要はない』と述べています。過剰なステント留置は死亡率や合併症を増やす恐れがあるからです」

日本でしばしば行われている過剰なカテーテル治療は、今すぐ改められる必要があるのだ。